広島市議会 > 2008-12-10 >
平成20年第 5回12月定例会−12月10日-04号

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  1. 広島市議会 2008-12-10
    平成20年第 5回12月定例会−12月10日-04号


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    最終取得日: 2022-12-05
    平成20年第 5回12月定例会−12月10日-04号平成20年第 5回12月定例会         平成20年    広島市議会定例会会議録(第4号)         第 5 回                  広島市議会議事日程                                    平成20年12月10日                                      午前10時開議                   日    程  第1 一般質問  第2┌自第107号議案 平成20年度広島市一般会計補正予算(第3号)    ┤    └至第131号議案 契約の締結について(霞南住宅(仮称)新築工事) ───────────────────────────────────────                  会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)
     日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  一般質問(続行し,終了)  日程第2┌自第107号議案 平成20年度広島市一般会計補正予算(第3号)      ┤      └至第131号議案 契約の締結について(霞南住宅(仮称)新築工事)       (質疑)       (各常任委員会付託)  休会について(明日から14日まで休会と決定)  次会の開議通知(12月15日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                 出 席 議 員 氏 名    1番  八 軒 幹 夫            2番  大 野 耕 平    3番  三 宅 正 明            4番  碓 氷 芳 雄    5番  西 田   浩            6番  渡 辺 好 造    7番  馬 庭 恭 子            8番  豊 島 岩 白    9番  清 水 良 三            10番  森 本 真 治    11番  藤 井 敏 子            12番  今 田 良 治    13番  桑 田 恭 子            14番  原   裕 治    15番  米 津 欣 子            16番  星 谷 鉄 正    17番  安 達 千代美            18番  八 條 範 彦    19番  竹 田 康 律            20番  元 田 賢 治    21番  沖   洋 司            22番  松 坂 知 恒    23番  村 上 厚 子            24番  中 原 洋 美    25番  永 田 雅 紀            26番  増 井 克 志    27番  山 田 春 男            28番  橋 本 昭 彦    29番  平 木 典 道            30番  母 谷 龍 典    31番  谷 口   修            32番  宮 本 健 司    33番  沖 宗 正 明            34番  酒 入 忠 昭    35番  田 尾 健 一            36番  太 田 憲 二    37番  若 林 新 三            38番  中 森 辰 一    39番  熊 本 憲 三            40番  佐々木 壽 吉    41番  種 清 和 夫            42番  木 山 徳 和    43番  金 子 和 彦            44番  児 玉 光 禎    45番  碓 井 法 明            46番  平 野 博 昭    47番  月 村 俊 雄            48番  土 井 哲 男    49番  都志見 信 夫            50番  皆 川 恵 史    51番  中 本   弘            52番  木 島   丘    53番  柳 坪   進            54番  藤 田 博 之    55番  海 徳   貢 ───────────────────────────────────────                 欠 席 議 員 氏 名                  な    し ───────────────────────────────────────            職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    浜 中 典 明       事務局次長   松 村   司  議事課長    重 元 昭 則       議事課主任   立 原   満  議事課主査   浜 井 紀 行       議事課主査   宮 田 武 雄  議事課主査   垣 井 英 孝       外関係職員 ───────────────────────────────────────               説明のため出席した者の職氏名  市長      秋 葉 忠 利       副市長     三 宅 吉 彦  副市長     米 神   健       副市長     豊 田 麻 子  企画総務局長  南 部 盛 一       企画総務局計画担当局長                                湯 浅 敏 郎  財政局長    佐 伯 克 彦       市民局長    島 本 登 夫  健康福祉局長  三 村 義 雄       こども未来局長 梶 原 伸 之  環境局長    喜多川   寛       環境局エネルギー温暖化対策担当局長                                亀 井 且 博  経済局長    重 藤 吉 久       都市活性化局長 濱 本 康 男  都市整備局長  片 平   靖       都市整備局指導担当局長                                山 本 哲 生  道路交通局長  高 山   茂       下水道局長   田 中 義 則  市立大学事務局長志 賀 賢 治       会計管理者   紙 本 義 則  消防局長    田 村 義 典       水道局長    江 郷 道 生  病院事業局事務局長             監査事務局長  藤 岡 賢 司          橋 本 恵 次  教育長     岡 本 茂 信       選挙管理委員会事務局長                                三 浦 泰 明  人事委員会事務局長          山 本 正 己 ───────────────────────────────────────                午前10時00分開議                出席議員  48名                欠席議員  7名 ○藤田博之 議長       おはようございます。出席議員48名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              会 議 録 署 名 者 の 指 名 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       本日の会議録署名者として               15番 米 津 欣 子 議員               26番 増 井 克 志 議員  を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────              日 程 に 入 る 旨 の 宣 告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       日程第1,昨日に引き続き一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  39番熊本憲三議員。                〔39番熊本憲三議員登壇〕(拍手)
    ◆39番(熊本憲三議員) おはようございます。今回は,新年度予算などにかかわりますことから,この時期にどうしても市当局のお考えなどについてただしておく必要がありますので,会派の了解を得まして教育事務委託についてのみお尋ねいたします。  このことについては,私の一般質問などにおいて幾度か取り上げておりますので,既に皆様御承知のこととは思いますが,この間の市当局の姿勢に対して,どうしても納得できない部分がありますので,まず最初に,この問題の経緯などについて申し上げた上で質問に移らせていただきたいと思います。  まず,事の起こりは,昨年の12月にさかのぼりますが,12月の定例会に,地元の皆さんから請願が議会に提出されました。その内容は,広島市と海田町の境界と言いますか,周辺はすべて海田町という,本当に特殊なところに位置しております,安芸区矢野東二丁目の開発区域について,小学校と同様に,中学校についても海田町に教育事務委託を行っていただきたいというものでありますけども,小学校については,この地域の子供たちは,本来であれば矢野小学校に通うことになりますが,そこまでの距離が2.4キロもあり,低学年では1時間10分かけて通学することになることや,道路の幅員が途中から狭くなり,安全上の問題があること,さらに,平成17年11月に発生した事件以来,安全確保がこれまで以上に重要になったことから,平成18年10月から海田町に教育事務委託をし,子供たち海田南小学校に通学することになっております。  しかし,中学校については,教育事務委託が行われていないため,通いなれた地域を離れ,かかわりの浅い広島市立矢野中学校へ進学することになり,こうした,子供たちにとって著しい環境の変化が,その後の人格形成に与える影響などが懸念され,ぜひとも中学校についても海田町に教育事務委託を行っていただき,小中一貫した教育を受けさせていただきたいという保護者の皆さんの切なる思いがあったのであります。それも,この4月から中学校へ進学するお子さんがいらっしゃるということで,新年度からの対応をぜひともお願いしたいというものでありました。  この請願の審査を付託されました文教委員会では,こうした,保護者や地域の皆さんの切なる思いが詰まった請願をさまざまな角度から審査をいただきました。その審査の中で,教育長から,今回のことについては教育事務委託の制度はなじまないと思いますが,請願が採択されれば,その議会の議決ということは重く受けとめますといった答弁があったわけであります。そうした市当局の見解などもあり,また,請願の内容も妥当なものとの認識から,議会はそうした保護者の皆さんの声をしっかり受けとめ,それにこたえる形で,その請願が採択されたわけであります。  文教委員会での教育長の答弁をそのまま受け取りますと,その後,何らかの動きを市当局は直ちにとられるものと期待しておりました。しかし,その後,市当局から事務委託の議案が提出されるどころか,その代替案というものが示されたこともありません。そこで,ことしの2月議会の私の総括質問で,改めてこの問題を取り上げ,市当局のお考えをお聞きしたわけであります。それに対して教育長は,改めて,当該請願が採択されたことは,教育委員会としても重く受けとめておりますという認識を示された上で,教育委員会としては,海田中学校に通学したいという児童・保護者の思いにこたえるために,どういうことが考えられるのか誠意を持って対応する必要があると考えているところでありますという答弁をされております。本当にこうした認識をお持ちであれば,行動として,成果として教育委員会の誠意を示していただきたいと思います。これは地域全体の思いであります。  その後,ことしの4月には請願に関係する地域であります矢野東二丁目1番,2番地区などの皆さんから,教育事務委託により海田中学校に通学できるよう要望書が提出されました。つまり,このことにより地域住民の全世帯が中学校教育事務委託を要望していることになったわけであります。  さらに,ことし9月の地元説明会では,教育委員会教育事務委託が困難な状況を言われたが,距離的な問題ではなく,子供たち一人一人の人格形成の重要な時期における急激な環境の変化が与える影響を考えて対応するよう考えてほしいといった要望や声があったと聞いております。広島市として,家庭,学校,そして地域が一体となって教育を推進すべきであるという教育の大原則を大切にされているのであれば,こうした保護者や地域の声は真摯に受けとめる必要があると思います。  そこでお伺いしますが,教育委員会として,この件についてどのような認識を持ってこれまで対応されてきたのか,場合によっては国に照会し,その対応を考える必要もあると思いますが,具体的にどのように取り組まれてきたのか,また,今後どのような対応をされようとしているのか,明確にお答えください。  秋葉市長は,事あるごとにさまざまなことについて,この広島市を世界のモデル都市としたいということを述べられておりますが,私は,まず次世代を担う子供たちの教育を最も大切にする,それも個々の状況に応じた教育を保障するモデル都市であってほしいと考えております。そうした認識を持って広島の教育を進めていただきたいということを申し添えまして,短い時間ではありましたけども,私の質問を終わらせていただきます。  答弁によりましては再質問させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○藤田博之 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       熊本議員の御質問にお答え申し上げます。  教育事務委託についてですけれども,まず,広島市では,国際平和文化都市を都市像に掲げ,豊かな人間性をはぐくみ,人が輝く社会の形成を目指しています。学校教育においては,子供たち一人一人に基礎的な知識・技能を定着させるとともに,思考力,判断力,表現力の向上を目指して,ひろしま型カリキュラムの導入に向けた取り組みを進めています。  また,子供たちによりよい教育環境を整え,個に応じたきめ細かな教育を実施するため,少人数教育やメンター制度の推進などに,鋭意,取り組んでいます。  議員御質問の教育事務委託については,学校教育法第38条等によって,市町村はその区域内にある学齢児童生徒を就学させるに必要な学校を設置しなければならないとされており,本市域内の児童生徒は本市が責任を持って教育することが原則となっています。  また,同法第40条等によって,必要な学校の設置が不可能または不適当と認められる場合に限って,学校の設置にかえて学齢児童生徒の全部または一部の教育事務を他の市町村に委託することができるとされており,教育事務委託は極めて例外的な制度となっています。  こうしたことから,教育事務委託を実施するに当たっては,本市と委託先の双方の議会の議決が必要とされているとともに,委託に係る経費は本市が負担することになっています。  したがって,その実施に当たっては,地域住民の総意や通学距離,通学の安全性及び生活圏が委託先の自治体に属していることなどの状況を総合的に見て,学校教育法第40条等の規定に該当すると認められる場合に限って行ってきました。  安芸区矢野東二丁目1番,2番及び3番地区の中学校に係る教育事務委託の是非については,教育委員会からは,教育事務委託を行わなければならないという状況にはない旨の報告を受けています。  その理由として,当該地区から矢野中学校までは片道1キロメートルであり,一方,海田中学校までは片道約0.7キロメートルであることから,通学にかかる生徒の負担はほとんど変わらないこと,また,昭和56年度,1981年度から矢野東二丁目1番及び2番地区──これは幸崎団地ですが,その児童は教育事務委託により海田南小学校へ就学しているが,小学校卒業後は矢野中学校に就学してきており,これまで矢野中学校を卒業した生徒は57人となっていること,さらに当該地区から矢野中学校を卒業した生徒のうち,指導要録で確認できる平成12年度以降の卒業生7人について欠席日数を調べたところ,最も多い生徒で4日であったこと,また,現在,当該地区から矢野中学校に通っている7人についても,元気に通学していることの3点が挙げられています。  検討状況の詳細につきましては,教育長から答弁させます。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎岡本茂信 教育長      市長答弁と一部重複するところがありますが,本年2月以降の対応状況等についてお答えをいたします。  本年5月に担当の部長及び課長等が矢野中学校海田南小学校を訪問して各校長と面会し,当該地区児童生徒への細かい配慮をお願いするとともに,今後の対応について協議いたしました。  また,7月には同じく担当部長と課長が矢野中学校を訪問し,校長からは,当該地区からことし4月に矢野中学校に進学した生徒2人は元気に通学していることを聞き取るとともに,生徒の保護者にも直接お会いし,同様な状況であることを確認しています。  さらに,9月には当該地区の皆さんを対象とした説明会を開催し,教育事務委託の考え方等について説明するとともに,意見や要望等を伺っております。  また,10月1日には指導要録で確認できる平成12年度以降の当該地区の卒業生7人について出席状況を調査したところ,欠席は最も多い生徒でも4日間でした。  次に,10月22日には担当職員が文部科学省の担当室長に直接面会して,教育事務委託法令解釈等について協議しました。その際には,これまで広島市が行ってきた教育事務委託については適切な対応と言える,今回の中学校の教育事務委託については,学校教育法第40条等の学校の設置にかえてという規定をそのまま適用できるかどうかについては無理があると考えられる,法律の制定時──昭和22年でありますが──と状況も変化しており,中1ギャップと言われる子供に係る心身上の問題もあることから,関係者が十分な検討をして,教育事務委託が子供にとって最もよい方法だということになれば,文部科学省としてもこれを問題視することはない,ただし,教育事務委託をする場合には,議会,市民が納得できる論拠と説明が必要であり,受託する海田町に対しても同様な説明が求められる等の助言を受けました。  11月10日には海田南小学校に担当部長と課長が出向き,校長から教育事務委託により海田南小学校に通っている児童の状況について伺いましたが,来年3月に卒業する児童については,特に問題はないとのことでした。  また,11月19日には当該地区から矢野中学校に就学している生徒7人の状況について校長から聴取し,長期間の欠席などの問題もなく,元気に通学していることを確認しました。これらのことから,海田南小学校から矢野中学校への進学が不適切と認められる状況にはありません。  したがって,現時点では,先ほど市長が答弁しましたように,当該地区には中学校の教育事務委託はなじまないとの判断を変える状況にはないと考えております。  なお,今後とも当該地区から矢野中学校へ進学した生徒について十分な配慮をするとともに,矢野中学校長と連携を密にして,学校生活における状況を注意深く見守っていくとともに,当該地区から海田南小学校へ通学する児童についても,海田町教育委員会及び海田南小学校長との連携を密にして,学校生活における状況等の把握に努めていきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       熊本議員。 ◆39番(熊本憲三議員) 今の答弁を聞いておりましたら,教育事務委託を実施する条件として二つあるやに思います。  一つは,当該地区の住民の総意,これは先ほど述べましたように,全世帯の皆さんの署名をいただきまして教育委員会の方に出しておるということで,これは既に確認ができております。  もう1点は,要するに,これが不適切と認められる論拠の確認ということでありますけども,言いかえれば,不登校などを含めたいじめ,また,ひきこもりを含めた,進学が不適切であると認められる実態がないとこの教育事務委託ができないよというふうに私は解釈したんですけども,私が早い時期から言っておりますように,そういうことになってからでは,私は遅いと思うんですよ。  先ほど市長さんも申されましたが,メンター制度の推進などに,鋭意,取り組んでおるという市長の答弁ありましたけども,こういう不登校やいじめなどで学校に行けなくなったような子供たちに,なってからメンター制度を適用することも確かに大変重要なことで大事なことではありますけども,まずそういう子供たちをつくらないことが私は行政,また,学校が十分に配慮しながら取り組んでいくべきじゃないんかと思うんです。今回のこの不登校などの実態が必要ということになるということ自体が,私はどうしてもこれは納得するわけにはいきません。そういう要素があるからこそ住民の皆様が危惧して要望書を出したんじゃないですか。なってから,実際に不登校になったという実態があれば,これは適用する価値があるよという考え方自体が私は間違っていると思います。  そうは言うても,文科省とのやりとりの中で,こういう実態がないとこれは適用するには難しいという答弁であったわけですが,先ほどから教育長の答弁を聞いておりますと,これまでこの該当する地区から通ってた子供たち,現に通ってる子供たちは,とにかく欠席が最高でも4日ということで,そういう実態が全くないからこれはなじまないというふうに私は解釈したんですけども,もしこれから先,こうした問題が起こった場合は,どのように教育委員会として対応するつもりなのかお答えください。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎岡本茂信 教育長      先ほど答弁申し上げましたように,矢野中学校におきましては,当該地区から矢野中学校へ進学した生徒についても学校生活における活動状況等を注意深く見守るとともに,生徒一人一人に応じた適切な支援に努めているところでございます。  矢野中学校へ進学予定の児童につきましても進学時に適切な支援が行われるよう,矢野中学校長海田南小学校長を訪問いたしまして,小学校との連携を密にして当該地区児童の状況把握に努めているところでございます。  御質問の件でございますが,教育的配慮を必要とする児童の対応につきましては,子供の実態に即した個別の対応が必要と考えておりますので,このような状況が生じた場合というか,このような児童につきましては,海田町教育委員会,また,海田南小学校長との協議・連携を密にして,適切な対応に努めていきたいというふうに思っております。 ○藤田博之 議長       熊本議員。 ◆39番(熊本憲三議員) 今の時点で教育事務委託はなじまないと,その考え方の違いもあるんでしょうけども,今,教育長が答弁してもらいましたように,すべてのエリアの網かけはできないがということですけども,子供一人一人の,少しでも学校での態度の変化,また,家庭での変化があったら,そこらを注意深く見守っていただきまして迅速に対応していただきたいと考えております。それを強く要望して終わりたいんですけども,最後に一つだけ,先ほどから申しておりますように,この地域の全世帯の皆さんの署名を添えていただいておるわけでありますから,ここで私と議会でのやりとりだけではなく,地元に対して十分な理解が必要であると考えておりますけども,地元に対しては,今後どのような説明をしていかれるつもりなのか,これをお聞きして質問を終わりたいと思います。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎岡本茂信 教育長      請願が採択されたことを重く受けとめまして,先ほど答弁いたしましたように,当該地区子供たち学校生活が適切に行われるよう,中学校長あるいは海田南小学校長とのさまざまな対応,ケアに努めてきたところでございます。  なお,御質問の件でございますが,本年9月でしたか,地域保護者と説明会を行っておりますが,その後いろいろ御質問等もあったことにつきまして,文科省の見解,あるいは現在の子供の状況等も説明をする必要がございますので,年内に早急に説明会をもちたいというふうに考えております。  以上です。 ○藤田博之 議長       次に,36番太田憲二議員。                〔36番太田憲二議員登壇〕(拍手) ◆36番(太田憲二議員) おはようございます。市民連合を代表して一般質問を行います。熊本議員からたくさんの時間をいただきましたので,しっかりゆっくりとやりたいと思います。  最初に,平和についてお尋ねをいたします。  私は,島根県の掛合町という山村の小さな町で育ちました。竹下元総理の地元であったことや日本の教育やテレビ世代のおかげなのでしょうか,どういう理由かはわかりませんが,子供のころから核の傘で守られている平和がある限り,核兵器の廃絶はあり得ない,アメリカは強い国だから,その核の傘の下にいれば大丈夫というような考えを持ち,小さいころ育ってきました。今はもちろん違いますけれども,しかし,これは何も私だけのことではなく,かなり多くの人々の考えであったのではないでしょうか。ですから,核兵器の廃絶はあり得ないことといった,ある意味での常識がまかり通ってきたのだと思います。  しかし,いまやその核兵器の廃絶は,現実のこととして着実に確実に進もうとしています。その大きなアクションを起こしたのはヒロシマ,ナガサキであり,特に2003年に発表された2020ビジョンは,これまでの被爆の実相を世界に伝える運動にとどまっていた核兵器廃絶の取り組みを,まさしく自分たちの手で核兵器廃絶への道のりをつくり,核兵器廃絶へとつなげていく目標を設定したという意味で,大変大きな転換点だったと思います。  平和市長会議の参加は2,536都市にも広がり,ここ数年で急速に広がりを見せています。ベルギーのイーペル市には平和市長会議の事務所が設立され,また,その他の地域においても拠点を設置する動きがあると聞いています。今後,この流れを飛躍的に伸ばし,世界のほとんどの都市が加盟し,核兵器廃絶への大きな力としなければなりません。  そこで,数点お伺いいたします。  市長は,10月にモントリオール及びニューヨークに行かれ,11月には2020ビジョンキャンペーン協会の役員会などへ出席のため,ベルギー,ドイツなどを訪問されました。10月には国連総会議長に,都市を攻撃目標にするなプロジェクトの署名を手渡されるなど活動されてきました。市長はこれまでも世界を飛び回り,核兵器廃絶と世界の恒久平和実現に向けて努力されており,その活動には改めて敬意を表したいと思います。その上で,今回の出張での,その成果と今後の取り組みについてお聞かせください。  次に,平和市長会議の状況ですが,日本での加入は現在178都市です。日本の市町村の総数は1,805の自治体があります。まだ全体の1割程度にしかなっていません。これでは日本政府に対する大きな力にはなりません。今後どのようにして日本国内の加盟数をふやそうとしているのかお聞かせください。  一つ提案があります。議会は,常任委員会や特別委員会などの出張で各都市を回ります。議会事務局と連携をとり,直接議員が訪問都市の担当者に手渡し,加盟を要請してはどうでしょうか。また,広島市には多くの視察訪問があります。その際にも必ず平和市長会議への参加文書を渡してはどうでしょうか。  私たち市民連合は,8月にフィンランド,イギリス,フランスなどを視察してきましたが,どの都市に行っても平和宣言と平和市長会議の加盟要請書を手渡してきました。さまざまな取り組みで加盟都市拡大に取り組まなければなりません。  さらに,都市を攻撃目標にするなプロジェクトの署名活動は,現在40万人の署名が集まり,そのうち約10万人分が広島市民と聞いています。この署名活動は,2020ビジョンを初めとする広島市の活動を宣伝する意味で大変重要な活動だと思います。今後どのように活動を広げていこうとするのかお聞かせください。  また,こうした署名活動を推進する上でも重要なのは,平和市長会議の活動を初めとする広島市の平和の取り組みを子供から大人まで多くの市民に理解し協力してもらうことです。残念ながら,私の周りの人たちに聞いても平和市長会議のことなどを理解している人は少ないのが現実です。  そこで提案ですが,今,広島市が進めている2020ビジョンや平和市長会議の活動,都市を攻撃目標にするなプロジェクトなどを具体的に子供たちに説明する機会が必要です。毎年多くの子供たちが社会に出ていくわけですから,その影響は大変大きなものがあります。広島市には公立・私立の小学校,中学校,高校合わせて約234校あります。その学校へ市長,副市長で広島市の平和の取り組みを説明する出前講座を実施したらどうでしょうか。仮に市長の残り任期2年間で実施すると,市長と副市長4名ですから,1人年間25回,1カ月に二,三回実施すれば回り切ることができます。1カ月に二,三回,約1時間の時間をつくることの工夫をぜひしていただきたいと思います。  人間とは不思議なもので,市長や副市長が直接学校に来て話をした場合と,いくら私が話がうまくてしっかり説明したとしても,市長と副市長が説明した方が子供が受ける印象は大きく違うものです。  また,ここにも多くおられます局長にも役割があります。局長は,各企業回りをしましょう。学校と同じように広島市の平和の取り組みを説明をして回るのです。消防局長や水道局長が何で平和の説明をするんだと思われるので,平和大使などの名前をつけてしまいましょう。各局長の役割は,もう一つあります。企業を回るのですから,その企業の状況や相談事,広島市への要望などを聞いて帰るのです。そのことで広島市と企業のつながりを深めることにもなり,今後の政策反映の参考にもなります。これからの行政は,担当者が外に出て対応するだけではなく,市の幹部が庁舎から外に出て行って直接話をし,意見交換をすることが大切です。市長以下,幹部職員の大きな仕事として,ぜひ検討してみてください。  次に,交通問題についてお尋ねをいたします。  広島市は,2004年6月に新たな交通ビジョンを策定しました。その後,2005年から2007年までの交通ビジョン推進プログラムを策定し,具体的な政策を実施してきました。2007年までの公共交通関連と道路整備のうち,歩道や自転車道の整備など主な成果についてお聞かせください。  現在,交通ビジョン推進プログラムは2007年までのものであり,本来は2007年度中に次期推進プログラムを策定し,今年度は既に新しいプログラムを実施していなければなりませんが,いまだにそのプログラムが策定されていません。昨日も質問がありましたけれども,今後どういう基本方針や考え方,そして日程としてはどのぐらいで交通ビジョン推進プログラムをつくろうとしているのか,改めてお聞かせください。  交通政策は,非常に難しい政策です。その一つは,公共交通といっても鉄道やバス,路面電車といった公共交通機関の運営は民間が担っており,広島市は,唯一アストラムラインを保有しているにすぎません。広島市全体の交通体系を改善しようとすると,そうした民間事業者との協力の上に進めなければならないという一番大きな課題があります。  もう一つの問題は,公共交通事業者への国・県・市からの補助金は,総売り上げの二,三%にすぎません。ヨーロッパではその運営費の50%から多いところで80から90%も公共が負担しています。車社会のアメリカでさえも多くの費用負担をしています。  一つの例を紹介をいたします。アメリカのサンフランシスコ市は,人口74万の都市です。ここでは団地内輸送や高齢者や障害者の皆さんの移動に,小型バスを使って運行しています。日本で言うコミュニティーバスですが,その1年間の運営費約23億円のうち,何と9割を連邦政府と州政府が負担をしています。つまり,移動困難地域や高齢者などの私的交通機関を持たない人の移動には当然税金を使い,社会参加を促しているのです。  ちなみに,今,政府が支給しようとしている定額給付金は2兆円規模と言われています。2兆円あると日本全体で,今紹介をしたようなサンフランシスコのような交通システムを実施をすると,約11年間も維持できることになります。単なるお金を皆さんにばらまきをするよりも,高齢者の社会参加を促進し,地域の活性化を促す上で,こうした公共交通に使えば,極めて有意義な税金の使い方であると言えます。今度,麻生総理に進言しておきたいと思います。  こうした例でもわかるように,日本の場合は,運営の面から言うと,公共交通とは名ばかりで,私的民間交通と言った方がいいぐらいです。ですから,最近議会でも話題になりますが,どこどこ団地のバス路線が廃止になるので広島市はどうするのかという議論です。バス会社などにはヨーロッパやアメリカのような補助金はなく,赤字になれば撤退するという構図です。交通政策は,このように運営主体の問題と財政的な問題が大きく横たわっており,なかなか難しい政策です。  話をもとに戻しますが,今後つくろうとする新たな交通ビジョン推進プログラムは,これからの広島市が,交通だけではなく,環境面からも持続可能な都市として成長していくために大変重要な計画となります。協議会を設置して議論すると聞いていますが,よくある審議会のように行政側がやりたい政策を提示して議論するのではなく,さまざまな交通政策を大胆に提示し,すぐできるもの,中長期的に議論するものなどと仕分けをし,交通政策の全国のモデル都市となれるような計画をつくっていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  その政策の一例を挙げておきます。広島駅から紙屋町方面へのバス路線は,それぞれの企業が独自のダイヤを組んで運行しています。そのために朝のラッシュ時間帯は八丁堀・紙屋町かいわいは,別名バス通りと言われるほど多くのバスが走っており,むだな運行と言わざるを得ません。このダイヤを調整し共同運行すると,利用者にとってどのバスに乗ってもいいということになり,これほど便利なものはありません。また,バス便を減らすことができ,事業者も効率的な運営ができます。経費削減にもつながります。そして渋滞解消にもなり,すべてにおいて得をいたします。2004年に韓国・ソウル市で公共交通網の大改革が行われましたが,ぜひ参考にしてください。  また,路面電車は遅いというイメージがありますが,多くの議員の皆さんがヨーロッパなどに行かれて御存じのように,優先信号を実施するだけで飛躍的に改善されます。実は,LRT化するという最大のポイントはスピードです。広島駅と紙屋町間の路面電車は,現在約15分かかりますが,優先信号をつけると約七,八分です。広島港から紙屋町経由の広島駅まで,現在約45分かかります。優先信号を実施すると約25分で到着です。もちろん利用者の乗降時間を含めてです。多くの議員の皆さんがヨーロッパで見てこられた優先信号を実施するだけで飛躍的に改善をいたします。  また,毎日マイカーに乗っている人が,1カ月に二,三回,交代で別な交通手段で通勤すると広島市の朝の交通渋滞は完全になくなります。これを実際にやっているのがシンガポールでのロードプライシングの政策です。もう少し身近に言うと,広島駅にタクシーが乗り入れますが,タクシーを色分けし,乗り入れる曜日を分けてタクシー乗り場の渋滞を避けている例を考えてもらえばわかると思います。道路を過剰につくらなくても渋滞は解消できるのです。しかも実際にやっている都市は多くあります。既にヨーロッパやアメリカ,アジアの国々で実施されているこうした交通政策が実現できれば,広島の交通問題はその多くが解消をいたします。これから策定しようとする交通ビジョン推進プログラムは,こうした政策を大胆に議論していただきたいと思います。  次に,広告つきバス停の設置についてです。  このバス停は,2006年から設置されています。実は,この広告つきバス停は,担当と話をし,議会で質問したりしてから6年以上もかかってようやく実現をいたしました。利用者にとって雨や風,太陽光を避けるという意味で利用しやすいものです。今年度までにどれだけ設置できるのか,また,今後できるだけ多くの場所に設置をしていただきたいと思いますが,今後どのような状況かお聞かせください。  次に,渋滞対策ですが,広島市は2002年から交差点交通処理の見直しによる渋滞解消を実施してきました。これまでの改善箇所は29カ所にも上りますが,昨年度の主な改善場所とその効果はどうでしょうか。また,今年度,主にどこをどのように改善しようとされているのでしょうか,お聞かせください。  この渋滞解消策は,少ない予算で大きな効果をもたらすもので,有効な政策です。毎年の計画を立てて着実に実施していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  次に,駐輪対策についてお尋ねいたします。  最近の健康ブームや原油高などの影響で,自転車を利用する人がふえています。一方で,不法駐輪の問題は,都市における大きな交通問題となってきています。  お尋ねいたしますが,自転車等放置規制区域外での放置自転車の状況はどうなっているのでしょうか。この問題を解決するには駐輪場を設置するしかないのですが,新たに建設する民間の建物は駐輪場の設置義務を設けていますが,設置義務を持たない既存の建物が多くある現在では,当面公共でつくり続けなければなりません。今後どのような計画で駐輪場を建設しようとするのでしょうか,お聞かせください。  また,既存の駐輪場でもキャンセル待ちが大変多く,その改善が求められています。特に横川駅南口,大手町駐輪場が多いと聞いていますが,その改善はどのようにお考えでしょうか。  今後は,民間駐車場との調整を図りながら,市営駐車場を駐輪場に大胆に変えていく政策をとってもいいのではないでしょうか。平和大通りの駐車場が駐輪場に変わっていますが,その他の市営駐車場も駐輪場に変更すれば,かなりの台数が駐輪場として整備できます。ぜひ検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  次に,ごみ行政について,これは少し演説をしたいと思います。  広島市のごみ審議会では,家庭ごみの有料化が審議され,市民アンケートも実施され,いよいよ来年にはその条例が提案されようかという流れです。しかし,市長を初め行政の皆さん,いま一度立ちどまって考えてみてください。ごみを減量するのは本当に有料化しかないのでしょうか。そんなことはありません。自治体の例を紹介したいと思います。  横浜市ですが,ここでは2004年から分別をふやし減量に成功しました。広島市が既にやっている分別です。しかし,広島市と違うのは,ごみ袋が透明・半透明であるという点です。この袋の透明・半透明化によって分別間違いや資源化可能なごみが大きく減ったことが挙げられています。このように袋を変えるだけで減量に成功した都市は多くあります。  さらに横浜市では,取り残しの徹底と罰則制度を導入しました。これは透明・半透明袋なので中身が見えます。ごみを集めて回るときに可燃ごみでないものがまざっていれば持ち帰らないのです。そして直接指導し,何度も同じ人がごみを分別せずに出した場合は過料を科すものです。これでも大きくごみの減量につながりました。  また,資源ごみについては,町内会や子ども会での自主回収を積極的に進めており,ごみの減量化と地域団体の財政にも貢献するという政策を進めています。こうした全国の事例は,行政の皆さんも御存じのはずです。  ここでおもしろい数字を紹介したいと思います。2006年の比較になりますが,政令指定都市の家庭ごみ排出量を比較すると,1日1人当たり一番少ないのは京都市で547グラム,2位が広島市で563グラム,そのあとに大阪市,福岡市と続きます。京都市は2年前から有料化を実施し,ナンバーワンになりました。  広島市が有料化せずに横浜市のような透明・半透明の袋を使ったとしたらどうなるでしょうか。広島市がごみ審議会で使った資料に基づいて計算してみました。透明・半透明にするだけで減量効果は最大で19.3%,平均で9.6%です。これを当てはめると最大で109グラムの減量で,広島の1日1人当たりのごみ排出量は454グラムになります。平均でも509グラムになります。先ほど紹介した京都市は547グラムでありますから,はるかに広島市が,ごみ排出量が少なくなるわけであります。有料化をした京都よりも有料化をしない広島市の方が平均値だけをとってみてもごみが減量されるという実態になるわけであります。  しかも,既に有料化している都市は,そのほか北九州市や福岡市などもあり,どの都市よりも有料化をしない広島市のごみ排出量が少ないということになります。  百歩譲って有料化の議論をすることにしましょう。私が具体案を提案したいと思います。  大阪府池田市が行っている制度が非常にいい参考になります。池田市は,一定量のごみ排出は無料にし,その量を超える場合は有料としています。例えば毎月の平均のごみ量が袋で10袋だとします。ここまでは無料とします。それを超える量は有料とする制度です。これにより池田市は,2000年からごみの減量に成功し,しかも,よく言われるリバウンドは一切ありません。さきに紹介した京都市では,すべてを有料にしました。その結果,1年目ではごみの減量が数字にはっきりあらわれましたが,ことし2年目ではほぼ横ばいの状態になり,数年すると,これは必ず増加に向かっていきます。いわゆるリバウンドが始まります。  しかし,池田市方式ではリバウンドは全くありません。広島市の場合,仮に有料化を議論するにしても,池田市の制度を基本とし,ごみ袋は透明・半透明にし,シール方式を採用すれば,全国どこもまねができないようなすばらしい制度ができます。今お話したのは,仮に有料化を議論する場合のことです。
     もう一度言います。広島市民は早くから分別に努力し,ごみ排出量を抑えてきました。その市民を信用し,有料化以外の政策をまず実施しましょう。それだけで有料化している都市よりもごみ排出量が少ないという,全国にはまれに見る都市になるのです。その状況を見きわめた上で,有料化するのかしないのか議論しても遅くはありません。また,そうしなければ,これまで市民が8分別に協力し,ごみ減量に協力してきたことを裏切ってしまうことになります。  きょうの私の今の演説をすべての市民の皆さんがお聞きになったら,全く太田の言うとおりと言われるはずです。できることからまずやろうと,ほとんどの方が言われると思います。今回この質問に対して答弁を求めると,家庭ごみ有料化の答申がつい先般出たばかりでありますから,広島市としては,その答申に基づいて条例案の作成に入り,しかるべき時期に議会に提案しますとしか答弁ができないだろうと思いますので,質問はいたしません。  市長,私が,きょうお話したように,広島市民を信用し,有料化以外の施策で有料化した都市よりもごみの排出量が一番少なくなること,そのことがわかっていながら,いきなり有料化を実施するなどということはあってはなりません。もう一度立ちどまって,真摯に,そして論理的に議論を深めていっていただきたいと思います。行政の皆さんの良識に訴えて,私のごみに対する演説を終わります。  質問は続きます。  保育園の待機児童についてでありますが,これまた突然でありますけれど,日本の食糧自給率が最近話題になっています。日本の自給率は約40%というふうに言われています。しかし,これはカロリーベースでの計算で,生産額ベースの食糧自給率は約70%になります。これは食糧の国内生産額を分子に,分母に国内の消費量を置き計算した数字です。つまり,70%は国内産であるのです。国際標準では,お米や小麦などの主食である穀物自給率を比較するのですが,これを計算すると約60%,お米だけをとってみると94%になります。お米だけをカロリーベースに直すと約500%になります。日本の自給率は約40%というカロリーベースだけの数字がひとり歩きしているのが現実です。  これと同じように,保育園の待機児童の数値も2004年から国が新たな数字を持ち出してきました。特定の保育園に希望して待機している場合などは待機児童に含めないというものです。国は全国の待機児童が余りにも多いので,その数字を少なくするために考えたものですが,各家庭の事情などは考えようともしません。国がやりそうなことだと思います。  これまで広島市の努力によって新しい保育園の建設や定員の拡大など,待機児童はかなり改善してきました。しかし,まだまだ年度途中での入園はかなり厳しいものがあります。昨年度と今年度の10月現在の待機児童及び入園希望児童の推移はどうなっているのでしょうか,待機児童解消に向けて,昨年度と今年度はどのような対策をとられたのでしょうか,お尋ねをいたします。  最近は,幼稚園との連携での認定こども園制度による待機児童解消が模索されており,広島市内でも現在4カ所で実施されていますが,その状況と問題点,さらには国の動向などもお聞かせください。  広島市立の幼稚園との連携で待機児童の解消も進めていく必要があります。しかも現在は,待機児童が増加していますが,全体の子供が減少している現状では,いずれ保育園への入園希望者も減少してきます。そのときになって公立幼稚園との連携策が実現しても遅く,できるだけ早い対応が求められています。教育委員会と積極的に連携し,早急に待機児童の解消に取り組んでいただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  次に,防災メールについてお尋ねをいたします。  広島市は,風水害や地震,鉄道や航空事故などの都市災害などに対応するために地域防災計画を策定し,対応しています。日ごろの消防活動を含めて,日夜市民の安全に対して努力をされていることに敬意を表したいと思います。  今回の質問は,大規模災害のときのスピーディーな情報伝達の方法について質問いたします。  1995年に発生した阪神・淡路大震災は,死者6,432人にも上り,住宅被害は約46万世帯,避難者のピークは約32万人にも上りました。改めてお亡くなりになった皆様の御冥福をお祈りいたします。  震災発生後13年が経過をしましたが,その震災を整理した教訓集が出されています。その最初には,発生直後からの情報伝達の重要性を訴えています。現実には避難勧告を出しているにもかかわらず,その情報が伝わらずに混乱に陥ったこと,避難所などへの伝達も口コミでの情報伝達に頼らざるを得なかったことなどを指摘しています。被害の状況から,避難場所への誘導などの基本情報から,避難場所での生活や行政支援などの情報によって被災された皆さんの日々の生活と安心という心のケアに至るまで,情報の重要性は指摘されています。  あってはならないことですが,広島市で今すぐに大規模地震が発生した場合を想定してみましょう。広島市の情報伝達は,防災行政無線が6,000カ所,防災メール登録は約7,000人にとどまり,電気が使えない状況を想定すると,電池式のラジオが重要な情報手段ということになります。  しかし,各家庭で携帯ラジオを常備している世帯がどれだけあるのかもわかりませんし,あったとしても持ち出せるかどうかもわかりません。その中で,携帯電話は多くの人が寝ている間も比較的身近な場所に置いており,ラジオなどに比べると容易に持ち出しが可能であると考えられます。さらに携帯メールによる情報伝達は,広島市独自の情報を素早く伝達できますし,情報を多くの人に伝えることができる有効な手段です。  この防災メールは,2005年にスタートしましたが,現在約7,000人と登録数がなかなか拡大していません。  そこで提案いたしますが,携帯会社と契約し,新規購入や買いかえのときに自動的に登録されるようにしてはどうでしょうか。要らない人は削除を申し出ればいいわけです。さらに防災メールは,送られてくる情報の頻度が少なく,もっと有効活用すべきと思います。例えば,今この時期では火災予防啓発のメールを流すこともできますし,家庭用火災報知機の設置を促すメールを送ることもできます。また,携帯ラジオの重要性を啓発することもできるでしょう。考えれば何でもできます。ぜひ検討し,充実させてください。  最後に,英語教育についてお尋ねをいたします。  広島市は,2010年から市内全小学校で英語科を新設し,英語教育を実施しようとしています。  まず私の考え方ですが,小学校での英語教育は必要ないと思います。少し難しくなるかもしれませんが,英会話を教えるのか,英語を教えるのか,広島市の教育委員会が言うように言語としてとらえて多面的に勉強するのか,その方法によって子供たちには大きな弊害をもたらすこともあると思います。結局は,単なる英会話を教えることになってはなりません。  そこで,改めてお尋ねしますが,英語科導入はどういう目的で,どういった教育を目指しているのかお聞かせください。  私がいくら必要ないと言っても広島市は実施しようとしていますので,今回は実施するにしても,最善の策を講じてほしいという思いで質問をいたします。  まずは指導体制についてです。広島市は,小学校での英語教育に当たり,すべての授業で担任との2人体制を実施しようとしており,他都市と比べてその人員配置には努力されておられ,一定の評価をしたいと思います。しかし,先進都市では常時2人体制で授業を実施し,必要に応じて3人体制を組んでいるところもあります。これは英語を始めるときの特徴として,最初は興味津々で授業を受けていた子供たちが,年度の途中から,または秋にかけて,できる子とそうでない子に二極化するケースが多いためです。その際に少しペースについていけない子供をサポートするための3人体制です。これは私たち市民連合が8月に視察に行ったフィンランドの学校の授業でも行われていました。授業についていけない子供をつくらないための方策です。いろいろなやり方があるので,ぜひ検討してください。  次に,現在18校の小学校で英語科がモデル校として実施されていますが,その経験をできるだけ早く全校に周知し,研修などを積み重ねてほしいと思いますが,いかがでしょうか。  また,保護者へも英語教育をする意味を含めて何度も周知していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  以上で質問を終わりますが,今回は質問も多くしましたが,多くの提案もいたしました。すぐにできるものもあれば,時間がかかるものもあると思います。ぜひ真摯に検討していただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○藤田博之 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       太田議員の御質問にお答え申し上げます。  最初に,海外出張の成果と今後の取り組みについての御質問がございました。  本年10月,姉妹都市提携10周年記念事業のためモントリオール市を,国連総会議長との面会及び国際会議等の誘致懇談会開催のためニューヨーク市を訪問しました。  また,11月にはベルギーのイーペル市での2020ビジョンキャンペーン協会の役員会等に出席したほか,ベルギー,ドイツ,ルクセンブルクの平和市長会議加盟都市を訪問し,平和関連行事への出席や市長,政府関係者等との会談を行ってきました。  平和に関する成果について御報告いたしますと,本年9月にヒロシマ・ナガサキ議定書に賛同する決議をいただいたモントリオール市では,トランブレイ市長と会談し,2020ビジョンキャンペーンの今後の推進やモントリオール市内の大学での「広島・長崎講座」の開設について協力を依頼しました。  これに対しトランブレイ市長は,自分たちも主体性を持って一緒に努力したいと全面的に賛同してくださり,私も大変心強く思いました。  次に,ニューヨークの国連本部訪問では,国連総会のデスコト議長と会談しました。最初に,都市を攻撃目標にするなプロジェクト市民署名活動にこれまで37万を超える署名が寄せられており,高校生を初めとする若者がこの署名活動を熱心に推進していることを報告するとともに,署名の一部を手渡し,核兵器廃絶が人類共通の願いであることを強く訴えました。  また,ヒロシマ・ナガサキ議定書の2010年のNPT再検討会議での採択に向けて,核保有国を初め各国政府の理解が得られるよう国連の協力を要請したほか,平和記念式典参列者が折った千羽ヅルを添えて来年の平和記念式典への招待状を手渡し,被爆の実相に触れるため広島を訪問してくださるようお願いしました。  デスコト議長は,核兵器廃絶へのみずからの真摯な思いを語られ,本市や平和市長会議の活動に国連総会議長として,できる限り協力することを表明されるとともに,可能であれば広島を訪問したいと述べられました。  なお,ニューヨーク総領事公邸で開催した誘致懇談会──これは広島セミナーと言いましたが,これについても国際会議主催者を初め総勢90名が参加し,多くの方から,ぜひ広島に行ってみたいとの感想をいただくなど,成功裏に終わることができました。  11月には2020ビジョンのより迅速かつ国際的な展開を目的に,昨年ベルギーのイーペル市に設立された2020ビジョンキャンペーン協会の運営委員会及び役員会に出席しました。会議では,国連が2010年からの10年間を「軍縮の10年」に定めるよう働きかけを強めること及びヒロシマ・ナガサキ議定書や都市を攻撃目標にするなプロジェクトなどの活動をより強力に推進していくことで合意しました。また,平和市長会議の財政基盤の安定化のため,加盟都市からの寄附を積極的に募ることも確認されました。さらに,米国でオバマ新大統領が就任することにより,核兵器をめぐる世界の情勢が好転することを期待し,オバマ氏に核兵器廃絶に向けたリーダーシップの発揮と平和市長会議への協力を求める書簡を送ることを決定しました。  また,イーペル市では,第一次世界大戦の停戦90周年記念行事に出席したほか,平和市長会議の加盟都市であるベルギーの3都市,ルクセンブルクのルクセンブルク市,ドイツのベルリン市で平和市長会議の地域別加盟都市会議などに出席しました。どの都市でも平和な世界の実現に向けた熱心な取り組みがなされており,非常に勇気づけられました。  さらに,ベルギーのルテルム首相を初め,ドイツの軍縮担当大使や核軍縮・不拡散議員連盟共同議長を務める国会議員等,各国の政府関係者や平和関連NGO関係者等にお会いし,平和市長会議が取り組む2020ビジョン及びヒロシマ・ナガサキ議定書への理解と協力を要請しました。ルテルム首相には,平和市長会議の活動にできる限り協力したいとおっしゃっていただくなど,お会いした皆さんから賛同を得ることができました。  今回の訪問を通じて,ヒロシマや平和市長会議に対する期待が大きいことを実感するとともに,ヒロシマ・ナガサキ議定書こそ2020年までに核兵器廃絶を実現するための唯一の手段であることを改めて確信しました。  今後とも平和市長会議を中心に世界の都市と市民,NGO等との連携を一層強化し,ヒロシマ・ナガサキ議定書の2010年NPT再検討会議での採択に向けた活動を強力に推進するなど2020年までの核兵器廃絶に向けて全力で取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○藤田博之 議長       市民局長。 ◎島本登夫 市民局長     平和についての数点の御質問にお答えを申し上げます。 まず,平和市長会議の国内加盟都市をどのようにふやすかという御質問でございます。  平和市長会議が取り組む2020ビジョン及びヒロシマ・ナガサキ議定書に対して我が国政府の理解と協力を得るとともに,人類史上最初の被爆国の責務として核兵器廃絶に向けた国際世論の醸成をリードしていくためには,平和市長会議の国内加盟都市のさらなる拡大が必要であると考えております。  国内都市への加盟要請につきましては,まず,指定都市市長会等自治体の会合等を通じた加盟呼びかけ,また,平和活動に熱心な自治体に対する個別の加盟要請,市長初め職員の出張時もしくは他都市からの職員等の訪問の際の説明と資料提供,平和クロスセクションが作成したポケット版平和データ集での平和市長会議に関する記述の掲載を通じた意識啓発,広島を訪れた修学旅行生や引率教員に対する地元自治体の加盟に向けた協力依頼,それから,都市を攻撃目標にするなプロジェクトの署名趣意書の中での市長会議加盟の働きかけの要請などに取り組んでおります。引き続きさまざまな機会をとらえて平和市長会議への加盟を呼びかけることにしております。  また,前回,全国の都市への加盟要請を実施して1年近くが経過することから,できるだけ早い時期に未加盟都市に対して改めて加盟要請文を送付したいと考えているほか,来年度は広島平和文化センター理事長等が国内諸都市を訪問し,平和市長会議への加盟要請等を行うことも計画をしております。  議員御提案の議員の皆様が他都市に出張された際に加盟要請をしていただくことや,他都市から視察等で訪問された際に加盟に関する資料をお渡しいただくことにつきましては,大変ありがたい御提案であり,今後,御協議させていただきたいと思います。2020年までの核兵器廃絶に向けた大きなうねりをつくり出せるよう,引き続き国内の加盟都市の拡大や都市間の連携強化に積極的に取り組んでまいります。  続きまして,都市を攻撃目標にするなプロジェクトの署名活動を今後どのように広げていくのかという御質問です。  平和市長会議では,核保有国に対して,都市を攻撃目標にしないよう求める市民署名活動を2007年2月から開始しており,これまでに国内外約40万の皆様に署名をいただいております。この署名活動には,全国の生活協同組合,日本労働組合総連合会,原水爆禁止広島県協議会を初め,多くの平和関係団体等に御協力をいただいています。また,広島で始まった中高校生による署名活動への取り組みの輪は,北海道,東京,沖縄等全国の学校に広がっています。さらに本年7月からインターネットで参加できるオンライン署名を開始するとともに,8月にはカープの試合前に署名活動を実施する「折りづるナイター」を開催するなど,署名が市民の皆様により身近になるような取り組みを行っております。  今後は,先ほど申し上げました国内未加盟都市への加盟要請文の送付や訪問の機会を活用した協力依頼,本市や他団体主催のイベント等さまざまな場を活用した署名活動の展開,そしてオンライン署名の活用を促進するための取り組み等を行っていく予定であり,こうした取り組みを通じて新たに協力していただける団体や個人に署名活動の輪を広げ,核兵器廃絶が人類共通の意思であることを広く国際社会に訴えていきます。  最後に,都市を攻撃目標にするなプロジェクトの署名活動を広く市民に理解してもらう取り組みについての御質問でございます。  平和市長会議の活動を初めとした本市の平和の取り組みに関する市民へのPR,協力や参加の働きかけにつきましては,これまで,まず市長を初め,広島平和文化センター理事長や平和記念資料館長等が講師となる各種の講演会や研修会,シンポジウム等の実施に取り組んでおり,本市みずからが主催する事業のみならず,企業,各種団体等から依頼がございましたときにも,可能な限り積極的に対応しております。  このほか,市長記者会見や記者発表などマスコミを通じた広報や,市及び平和市長会議のホームページや機関紙──ニュースレターを通じた広報活動,そして本年8月の広島市民球場での「折りづるナイター」や街頭署名活動等,各種団体と協力した事業の実施などにも取り組んでおります。  今後とも市民に対してのさらなる周知や事業への参画を一層強力に推進していきたいと考えており,御提案の小中高等学校や企業を対象とした2020ビジョン等の説明につきましても,関係部局等と調整しながら検討させていただきたいと思います。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       こども未来局長。 ◎梶原伸之 こども未来局長  保育園の待機児童についての3点の御質問にお答えいたします。  まず,待機児童数等の推移とその対策についてでございます。  10月1日現在における保育園の待機児童数は,昨年度258人,本年度は200人となっています。また,ほかに入園可能な保育園があるにもかかわらず特定の保育園を希望し,保護者の私的な理由により待機している児童数を含めた,いわゆる入園希望児童数,これは同じく10月1日現在で昨年度が469人,本年度は543人となっています。  このような保育園への入園待機児童を解消するため,これまで私立保育園の新設や増改築,認定こども園制度の活用,既設保育園の定員変更などにより保育園の定員増を行っています。具体的には,昨年度は西区での私立保育園の新設や安佐南区,安芸区での私立保育園の増改築などにより266人の定員増を行っております。本年度においても西区,安佐南区での私立保育園の増改築や安佐南区での認定こども園の設置などによりまして300人程度の定員増を行う予定といたしております。  次に,認定こども園についてでございます。  認定こども園は,「就学前の子供に関する教育,保育等の総合的な提供の推進に関する法律」に基づきまして,幼稚園と保育園の制度の枠組みを超えて,小学校就学前の子供に対し幼児教育・保育を一体的に提供するとともに,地域における子育て支援の取り組みを充実させることを目的に平成18年,2006年10月に創設された制度であります。国は全国で2,000園程度の設置を見込んでいましたが,本年4月1日現在229園の設置にとどまっています。  本市におきましては,昨年度,認可幼稚園と認可保育園とで構成される幼保連携型認定こども園4園が広島県により認定されています。本年3月に国が実施いたしましたアンケート調査によりますと,認定こども園を利用している保護者は,仕事の有無による転園がないことや保育時間が柔軟に選べるなどの理由によりまして,8割近くが肯定的な評価をしています。  一方で,施設や地方公共団体からは,幼稚園は文部科学省,保育園は厚生労働省の制度が引き続き適用されるため,会計処理や認定申請手続が煩雑であること,さらに財政支援も不十分であることなどの課題が挙げられています。  また,国に対し,大都市民生主管局長会議におきまして,財政措置や事務の効率化など認定こども園制度の改善について要望を行っています。  こうしたことを受けまして,国においては,来年度予算の概算要求におきまして,幼稚園,保育所の枠組みを超えた総合的な財政支援をするためのこども交付金──仮称でございますが──これを新設し,認定こども園に対する施設整備及び運営費に対する補助を盛り込むとともに,会計処理の弾力化や認定申請手続等の簡素化などの運用の改善を進め,認定こども園の普及促進を図ろうといたしております。  最後に,市立幼稚園との連携による保育園の待機児童解消についてでございます。  本年11月に教育委員会におきまして,広島市立幼稚園のあり方検討に関する中間まとめが公表され,その中で,1点としましては,拠点園及び認定こども園の検討,2点目といたしまして,市立幼稚園の統廃合の検討,3点目としまして,広島市就学前教育・保育プログラムの実践・普及などの取り組みが示されています。こども未来局といたしましては,保育園の待機児童の解消を図るため,市立幼稚園の活用は有効であると認識しておりまして,今回の中間まとめで示されました取り組みの具体化に向けまして,今後,教育委員会との調整を積極的に図っていきたいと考えています。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       道路交通局長。 ◎高山茂 道路交通局長    交通問題について,順次お答えをいたします。  まず初めに,交通ビジョン推進プログラムの成果についてでございます。  平成17年度,2005年度から平成19年度,2007年度までの3カ年の短期的な施策を示した交通ビジョン推進プログラムの実施期間において,公共交通関連で成果のあった主な施策としましては,低床型路面電車の導入による公共交通網の機能強化,それから可部駅西口広場の整備による交通結節点の乗りかえ利便性の向上,そして広告つきバス停上屋の設置による公共交通サービスの向上などがあります。  また,歩道や自転車道関連で成果のあった主な施策としましては,段原東雲地区や庚午地区など8地区のあんしん歩行エリアを指定して,歩道整備や交差点改良などを実施したことによる安全性の向上,デルタ市街地の幅の広い歩道において,自転車と歩行者通行帯の視覚的分離を実施したことによる安全性や利便性の向上などがあります。  次に,交通ビジョン推進プログラムの更新の考え方などについてでございます。  次期交通ビジョン推進プログラムでは,自動車に過度に依存するこれまでの交通体系を見直し,交通体系の軸足を公共交通や徒歩,自転車にシフトするという交通政策の重点的な取り組みの方向性をより明確化するため,従来の短期的施策に加え,おおむね10年後の中期的施策を盛り込んだものにする考えでおります。  このため,関係行政機関や交通事業者などで構成する広島市都市・地域総合交通戦略策定協議会を本年11月に設置し,都市交通施策の関係者が緊密に協議しながら検討を行うことにいたしました。  また,地域間における人の動きや自動車及び公共交通機関の利用状況を詳細に把握することを目的として,現在6万3600世帯を対象とした交通実態調査を実施しており,来年3月までに調査結果を取りまとめる予定としております。  その後,交通利用者の立場からの御意見をいただくため,環境,経済,高齢者・障害者福祉などの各分野における有識者や団体等で構成する懇談会を設置するとともに,検討の節目において,市民や議会から幅広く意見をいただきながら検討を進めることにしており,平成21年,2009年秋には次期交通ビジョン推進プログラムが策定できるよう取り組んでいきたいと考えています。  次に,総合交通戦略策定協議会についてでございます。  協議会に提示する施策メニューの中には,他都市での先進事例等を参考にするとともに,今後,設置予定の懇談会や市民,議会からの御意見,御提案などを幅広くお聞きしながら,できるだけ多くのすぐれた新規施策を含めるよう努め,これらの施策メニューをもとに協議会において活発な議論を行っていただく予定でございます。  次に,広告つきバス停上屋の整備についてでございます。  民間広告事業者が行う広告つきバス停上屋の整備は,本市やバス事業者の財政負担を伴うことなくバス利用者の利便性を高め,公共交通機関の利用促進を図ることのできる有効な手段であると考えています。昨年度までに市役所前バス停などへ10基が設置済みで,本年度は日赤前バス停などへ37基設置する予定であり,年度末には合計47基が整備される予定です。民間広告事業者は,市内に100基程度の設置を目標に整備を進めていきたいという意向を持っておりまして,順次,候補箇所の調査などを行いながら設置していくことになっております。  本市としましても,今後ともバス事業者等と連携しながら,広告つきバス停上屋の整備を促進するよう協力していきたいと考えています。  次に,渋滞対策についてでございます。  交差点の交通処理の見直しによる渋滞対策については,平成19年度,2007年度は5カ所実施をいたしました。このうち空港通りと霞庚午線が交差する広島西飛行場入口交差点については,庚午方面から西飛行場方面への右折車線を20メートル延長する対策を行い,その結果,朝のピーク時において渋滞長が500メートル減少するなど5カ所とも一定の改善効果が得られています。  平成20年度,2008年度は東区戸坂の東浄団地入口交差点において,交差点内に右折の誘導線を設置するなど,これまでに3カ所の対策が完了いたしました。  今後,アストラムライン毘沙門台駅東交差点において,緑井方面から沼田方面への右折車線を増設するなど,今年度内にさらに2カ所の対策を行う予定です。  交差点の交通処理の見直しによる渋滞対策は,比較的少ないコストで大きな効果が期待できる箇所を抽出し,県警などの関係機関と連携して,平成14年度,2002年度から平成19年度,2007年度までの6年間で29カ所を実施いたしました。  今後も,大きな改善効果が期待できる箇所を探りながら,関係機関と密接に連携し,計画的に取り組んでいきたいと考えています。  次に,駐輪場対策のうち,放置規制区域外の放置の状況についてでございます。  本市では,紙屋町・八丁堀やJR駅周辺など6地区,約190ヘクタールを自転車等放置規制区域に指定していますが,これらの放置規制区域の周辺部に撤去を免れるため放置自転車が流出しています。特にこれが著しい紙屋町・八丁堀周辺の状況を申し上げますと,中央公園周辺に約400台,幟町周辺に約300台,薬研堀周辺に約300台,鯉城通りなど小町周辺に約700台の放置自転車があります。  次に,今後の駐輪場の建設についてでございます。  現在は,特に放置自転車が多い平和大通り南側の小町周辺の対策に重点的に取り組んでおり,そのため,平和大通りにおいて路上駐車場を駐輪場へ転用する整備を進めています。  今後も,市域内における放置自転車等の状況を把握しながら,良好な生活環境の確保と都市機能の保持という観点から,優先順位をつけて計画的に駐輪場を整備したいと考えています。
     次に,横川駅南口や大手町のキャンセル待ちの改善についてでございます。  現在,横川駅南口が約210台,大手町が約170台の登録利用のキャンセル待ちが生じています。このため,横川駅南口駐輪場につきましては,2段ラックの増設を検討するとともに,大手町駐輪場につきましては,平和大通りの大手町三丁目に登録利用専用の駐輪場を整備し,少しでもキャンセル待ちが解消できるように努めます。  最後に,市営駐車場の駐輪場への変更についてでございます。  限られた予算の中で迅速に駐輪場の整備を行い,放置自転車の解消を図るためには,民間駐車場の充足により設置当初に比べて役割が低下した市営駐車場を駐輪場に転用する方法は有効と考えております。そのため,放置自転車の弊害が著しい地区において,活用が可能な市営駐車場があれば駐輪場への転用について,積極的に検討を進めていきたいと考えています。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       消防局長。 ◎田村義典 消防局長     防災メールについてお答えいたします。  防災情報メールは,現在,広く普及している携帯電話を活用し,あらかじめ登録された方々に避難勧告などの防災情報を一斉に配信できること,どこにいても情報が入手できることなどから,防災情報の伝達手段の一つとして大変有効であると認識しております。  この登録件数をふやすために,本市の広報紙やホームページへの掲載,自主防災会の各種行事,土砂災害に関する地元の説明会,障害者団体を通じた登録の呼びかけなど,PRに取り組んでいるところでございます。今後,さらに登録件数をふやすために,議員御提案のように,携帯電話事業者などと協議を行うなど,登録促進の効果的な方策について検討してまいります。  また,啓発情報につきましては,防災情報メールは災害時において緊急情報を伝達するために整備したもので,災害が多かった平成17年度,2005年度は59件の発信をいたしました。ことしは災害が少なかったこともあり,現在までに5件の発信となっております。本年6月には梅雨入りの情報に合わせて,大雨に関する啓発情報の発信について行いました。今後,災害予防に関する啓発情報の発信についても検討してまいります。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎岡本茂信 教育長      英語教育につきまして,まず英語科の目的でございますが,国際平和文化都市広島の担い手である子供たちにとって,英語はコミュニケーションの重要な手段の一つであり,また,小学校段階の子供は,言語や文化に対する関心や意欲を高めるのに適していると言われています。そのため本市では,論理的思考が可能となる小学校5年生から英語科を導入します。  本市の英語教育は,英語の音声やリズム,基礎的な表現になれ親しむだけでなく,身近な英単語を身につけ,基本的な英語の仕組みに気づくことなどを通して日本語と英語の共通性や違いの認識を深め,言語運用能力の向上を図ることを特色としており,小中学校の5年間を見通して,体系的に英語教育を推進したいと考えております。  また,この小学校英語科は,中学校の単なる前倒しではなく,英語による活動を通して言語や文化に対する興味・関心を高め,英語を聞いたり話したりする力の基礎を養うとともに,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成することを目標としております。  続きまして,英語の指導方法,指導体制でございますが,小学校の英語科の指導に当たりましては,子供たちが英語に興味・関心を持ち,英語になれ親しむことができるような教材の開発や指導方法の工夫・改善,指導体制の構築などを行うことが大切だと考えております。具体的には,教材につきましては,英語学習への興味・関心が持てるよう配慮した英単語カード,音声CDなどの教材を作成しており,平成21年度,2009年度にはすべての小学校に提示,配布する予定でございます。  また,教員の指導力が児童の学習意欲に大きくかかわるため,平成19年度,2007年度から集中講義形式で4日間行う「夏休み小学校教員のための英語塾」を3カ年計画で実施し,基本的な発音や指導方法,授業の進め方などについての実践的な研修を行っており,この研修の受講者は3年間で5,6年生の担任総数を上回る見込みでございます。  加えて,英語塾を踏まえた発展的な研修として「小学校教員のための教室英語演習講座」を実施し,指導案作成及び模擬授業などの研修を行っています。  さらに指導体制については,週1回の45分間の授業はすべて学級担任と英語に堪能な人材とのティームティーチングを原則と考え,現在,英語に堪能な人材を募集して名簿登録を行っており,効果的な指導体制の構築に向けた取り組みを進めております。  平成19年度,2007年度より英語科の実践研究を進めてまいりましたが,研究開発校からは,学習に対し意欲を持ちにくかった子供が英語科の授業に興味・関心を持って取り組み,自信を得たことによって日常生活においても物事に積極的に取り組むようになった事例の報告も受けております。本市教育委員会としましては,ひろしま型カリキュラムの英語科が子供たち一人一人にとって英語を学ぶことの楽しさを味わうことができる教科となるよう,引き続き指導方法の工夫・改善や指導体制の構築に努めてまいりたいと考えております。  最後に,モデル校の成果の周知,あるいは保護者への説明でございます。  ひろしま型カリキュラムの導入に当たりましては,学校や保護者の理解が重要かつ不可欠であると考えておりまして,本市教育委員会としましては,平成22年度,2010年度実施に向けて,計画的に保護者や学校への周知に努めています。研究開発校等の実践研究の成果を全市の小中学校に普及することは,ひろしま型カリキュラムの円滑な導入を図る上で,極めて重要であると考えており,平成19年度,2007年度からこれまで研究開発校等の公開研究会や実践発表会を実施しています。あわせて平成18年度,2006年度より,校長,教頭,教務主任等を対象にひろしま型カリキュラムの趣旨や具体的な指導方法等についての説明会や研修会を計画的に実施するとともに,校内研修の推進と充実が図られるよう,全市の小中学校に学習指導計画案や教材等を配布するなど,随時情報提供を行っております。  保護者に対しましては,平成19年度,2007年度より,ひろしま型カリキュラム導入の意義や目的等について理解を図るため,広島市PTA協議会と連携して保護者説明会を開催しており,昨年度は8会場で実施し1,001名,今年度は3会場で実施し332名の保護者の参加がありました。また,本年9月にはタウンミーティングを開催したほか,来年1月には就学前の子供を持つ保護者を対象とした説明会の開催も予定しております。さらに本市の広報紙「市民と市政」や「教育ひろしま」,PTAの広報紙等を通じて学校,保護者はもとより,広く市民の理解を得られるよう,平成18年度,2006年度以降,計画的に情報発信を行っています。  今後も引き続き,あらゆる機会を通してひろしま型カリキュラムの周知に努め,学校や保護者の一層の理解を図るとともに,きめ細かな配慮のもと,平成22年度,2010年度の円滑な実施に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       太田議員。 ◆36番(太田憲二議員) ありがとうございます。すべての質問に積極的,前向きに答えていただきまして,大変ありがとうございます。  再質問はしません。2点だけ重ねてお願いをしておきます。  最初に,保育園の待機児童ですけども,こども未来局の方で答弁はしてもらうんですが,一番最後のところですね,市立の幼稚園との連携というふうにお話をいたしました。先ほどもありましたように,これから検討するということになります。まあ,往々にして行政が検討するとですね,非常に長い検討になります。検討して3年後に結果が出たと,それから実際にやるのはまた二,三年かかったというとですね,きょう質問したように,実は子供の数が減ってますから,いざ始めたときには待機児童がだんだん少なくなる時期では困るわけです。今すぐでもやってほしいと,なおかつ,安佐南と今,西区が非常に待機児童が多いんです,安佐南に市立幼稚園はたくさんあるんですね,だから,これすぐできるとですね,いろんな方式で,非常に効果が高い。西区は市立の幼稚園がありませんが,この場合は新しい保育園を建設するしかないと,こういうことになりますけども,そういう取捨選択がはっきりできて,待機児童の政策がスムーズに展開できますから,こども未来局,教育委員会はクロスセクションもできたことですし,積極的に議論を進めていただきたいと思います。また別の場で,次回は教育委員会に質問をしたいと思いますので,よろしくお願いします。  あともう1点は,ごみの演説をしましたが,実は1点だけ言い忘れていたことがありまして,ごみ審議会そのものを私は否定をするつもりはありません。審議会の中での議論,有料化そのものがごみの減量につながるということは論理的に間違ってはいません。ですから,審議会の議論は尊重した上で,広島市としてどう政策を進めていくかということを考えるという意味合いで,きょうはお話をさせていただきました。ですから,審議会の議論イコール即条例ということではなくて,その提案は提案として尊重するけれども,ここ何年かはもう少し違うやり方でもできるんではないかと,その上で慎重に有料化の議論もその間に進めていったらどうかという意味合いでお話をいたしましたので,ぜひまたこれから有料化の議論等々あると思いますけれども,私にも相談をいただいて進めていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。 ───────────────────────────────────────                休   憩   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       この際,暫時休憩をいたします。                午前11時29分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時04分開議                出席議員  48名                欠席議員  7名 ○藤田博之 議長       出席議員48名であります。 ───────────────────────────────────────                開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  5番西田浩議員。                〔5番西田浩議員登壇〕(拍手) ◆5番(西田浩議員) 皆さん,こんにちは。公明党の西田です。  あなたの趣味は何ですかと聞かれることがあります。一応,ソフトボールと読書ですと答えることにしていますが,読書については非常に偏りがあり,ほとんど戦国時代を中心にした歴史物ばかりを読んでいます。  最近読んだ本は,司馬遼太郎の「箱根の坂」で北条早雲の物語です。室町幕府が衰退し,もうすぐ戦国時代に入るというころ,ちょうど応仁の乱が発生したころの物語です。室町時代というのは守護・地頭が将軍から任命されて各地を管理しているという支配体制で,農民,町人は守護・地頭を畏敬の念で見ていて,支配されることに何の疑問も持っていないという時代でした。守護・地頭も他国を攻め取るとかそういう発想はなく,だれがその職を継ぐか,いわゆる相続争いが絶え間なく続いた時代です。応仁の乱も相続争いの大規模なものと言えます。  そういう時代の中,早雲は,今川氏親──織田信長に負けた今川義元の父を助け,駿河の国の一部を今川氏親から任され,統治しました。ほとんどが税率を六公四民とする中,早雲は四公六民という善政を行い,他国の農民からも早雲の国に住みたいと言われるほど慕われました。歴史上,彼ほど善政をしき,国人に慕われた領主はないと言われています。  しかし,その分生活は厳しく,領地を広げないと生活が成り立たないという状況でもありました。そのため,伊豆を攻め,関東を攻め,小田原城を中心とした北条王国をつくり上げたのでした。攻め取る過程で,敵国でありながら,その農民,町民も早雲に支配してほしいと思っており,喜んで早雲について来た。戦国時代はそこから始まったということです。  私も議員になって2期目6年が過ぎようとしているところですが,どこまでも庶民の目線で行動し,北条早雲のように庶民から慕われる議員になりたいと決意して質問に入りたいと思います。  まず,過疎対策についてです。  昨年12月の米津議員や本年3月の予算特別委員会でもお願いしたところですが,都市活性化局を中心にいろいろと検討を始めていただいているようで,それを全庁的な問題として取り組んでいただきたいという観点から御質問したいと思います。  まず,過疎というと,多くの職員の方が,広島市には関係のないことだという認識があるのではないかと思いますが,安佐北区,佐伯区などの周辺地域にとっては深刻な問題になっています。ここでは安佐北区のデータを少し紹介してみたいと思います。  まず,高齢化率は広島市全体が18.6%なのに対し,安佐北区は21.3%で一番高くなっています。学区別で見ると,安佐町の小河内が47%,白木町の志屋が45%,井原が44%などとなっており,これらの地区内には既に高齢化率50%をはるかに超えた限界集落が幾つも点在しております。  少子化では,安佐北区内の27の小学校,11の中学校の児童生徒数のこの10年間の推移を見ると,約3,500人も減少しており,広島市全体の減少数の半分以上を占めています。また,国の基準である12学級未満の小学校が27校中13校,児童数が100名を切る小学校も6校あります。  この10年間の人口の推移を見ると,広島市全体で5万人強ふえているのに,安佐北区では可部町,高陽町は余り変わりませんが,安佐町約3,000人減,白木町約1,000人減の合計4,000人も減少しています。  このように安佐北区では,特に安佐町,白木町において過疎化が急速に進んでいるのが現状です。  また,安佐町の日浦西小学校が今春廃校し,小河内のくりが丘保育園の来春廃園の議案が今議会に提案されています。そして,今年の夏からは小規模校のあり方を検討する「学校適正配置のあり方検討会議」が設置されて,学校統廃合の検討がスタートしました。これらの過疎地域は,地形的に災害の起こりやすい地域でもあり,また,道路,河川や歩道などの基盤整備,通院,通学などの足の確保,後継者不足による休耕田の増加,そして地域コミュニティーの崩壊などさまざまな課題を抱えています。同じ広島市に住んでいながら受けられるサービスが著しく異なるというのはいかがなものかと考えますし,そのことが過疎化の進展に拍車をかけていることは間違いありません。  このように皆さんは,この事実をしっかりと認識していただきたいと思います。過疎化の急速な進展は,農林業の衰退,特に林業の衰退がその発端になっているという研究結果もあり,現実にそうなっていると実感できます。実際に農林業の担い手もなくなり,山や畑は荒れ放題という状況です。それも大都会と言われている広島市の実態ではないかと思います。  ところで私は,過疎化対策は都市部の活性化と環境対策につながると思っています。例えば,農業振興について考えても,安全な食品の供給,海外の経済に影響されない食品など国内の食品自給率を向上させていかなければなりません。広島市と隣接する市町との食の連携はとても大事になってきます。もっと大きく展開すると,島根県や鳥取県などと連携すれば,広島市に対し100%の食糧自給も可能であるという方もいると聞いています。また,近場からの食糧輸送になるため,輸送のための燃料費が少なくて済むということもあります。  また,山林を間伐などきちんと保全していくと,木材の自給率の向上に加え,災害防止,海岸の保存などにもつながりますし,間伐材からバイオエタノールをつくり出す技術なども進んできています。このように考えていくと,農林業の振興を進めることにより,安全な良質の食品や木材,クリーンエネルギーの供給,環境保全,災害対策,そして中国地方の各県市町村との連携強化による拠点性の向上に寄与するとともに,生活ができる水準までもっていけば,若者もこれらの仕事につくこともでき,後継者の育成や就労場所の提供など市の発展に寄与できると考えます。  また,このような周辺地域との連携ができれば,州都広島としての機能強化にもつながると考えます。  また,これらの地域では地元の皆様が危機感を持たれており,何とかしないといけないという問題意識を持っておられます。過疎化対策には地元の皆様の強い熱意,そして行政の援助の両輪がかみ合ってこそ効果が上がるものと考えています。例えば,安佐町小河内のある自治会役員の方が,小河内再生計画──私案──という論文をつくられていますが,小河内の現状,課題,農村の価値,農村は広島市の宝,都市との交流と地場産業の発掘,地元の熱意などの項目でまとめられており,とても参考になると思います。  その中で,広島市の宝の活用の項目の一部を御紹介いたします。  広島市は,まんじゅうの皮のように,周囲を市面積の87%を占める農村部が包んでいる,同一行政区内に人口の多い都市部と過疎の農村部が30から40キロ,1時間余りのほどよい距離内にあり,地形的に大変恵まれている都市である,こうした農村部を持っている広島市は,食糧や水,環境保全など貴重な財産を持っていることを十分認識することがまちづくりの前提になる,この財産をどう生かすか,つまり農村の価値をいかに評価するかがこれからのまちづくりの基本になるとあり,広島市のこれからのまちづくりの参考になるのではないかと思います。  このように今は,何とかしよう,何とかしなければという熱意が,農山村部には満ちあふれています。しかし,それらはさらに高齢化が進めば長続きしないかもしれません。そういう意味からも,もう待ったなしで広島市は手を打つべきであると考えます。どうか幹部職員の皆さんも,まず現場に足を運んで,過疎地域のいろいろな課題をぜひ実感していただきたいと思います。  そこで何点かお伺いいたします。  このような農山村地域の過疎に関する課題について,本市はどのように考えておられるのか,まず市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  本件について,この1年間どのように取り組んでこられたのか教えてください。  次に,国の補助を受けて実施された井口明神小学校のふるさと体験交流は,大変よかったと聞いていますが,そういったことを市内全域の小学校で取り組むとともに,広島市内にもふるさと体験交流ができる場所がありますので,整備していくことも大切です。大阪府では,「都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例」を施行し,遊休農地を減らすための対策,例えば農業体験をする学校の数を3年後には100校以上にするなどを具体化する条例をつくられています。また,農事組合法人の設立による農業経営の安定化により,農村が活性化した成功事例が各地で報告されています。  このように,農山村地域での過疎対策として各地でさまざまな取り組みが行われています。広島市では,新たな過疎対策としてどのような施策を考えられているのか教えてください。  るる述べましたように,過疎対策はいろいろな側面が複雑に絡み合った問題なので,既存の縦割り組織で対応することは困難であり,しっかりとした体制整備が必要だと思います。来年度,過疎対策のクロスセクションを立ち上げ,本市の重点施策として総合的な取り組みを実施してほしいと思いますが,当局のお考えを教えてください。  最後に,現在,広島市の総合計画が改定中ですが,新しい計画の中にこのような過疎対策をしっかりと位置づける必要があると思いますが,いかがでしょうか。  次に,広島市立学校適正配置等のあり方について御質問いたします。  本年度から,広島市立学校適正配置等のあり方に関する検討についてということで,「広島市立学校適正配置等のあり方に関する検討協力者会議」を設置され,検討が始まりました。既に4回の検討協力者会議が開催され,広島市立学校適正配置等のあり方に関する報告書の骨子──素案が検討されたところです。この素案によると,児童生徒数の減少による学校の小規模化に伴う課題に対応するため,学校の適正配置に取り組むことにしたと記されており,課題として教育面や施設面から小規模校には課題が多くあることや校舎の老朽化,耐震補強などを考えると財政面での影響が大きいことも指摘されています。その中で,新聞報道にもなりましたが,地域の特性を考え,1,市街地型,2,ニュータウン型,3,農村地域型のそれぞれの地域特性を配慮すべきという観点も盛り込まれていることは評価できるかなと感じております。学校の適正配置については,小規模校の課題だけを見ていくと,ある程度の人数の中で教育を受けることがよいことだというふうに感じる内容になっています。しかし,単純に人数だけで統廃合すると,多くの地域から小中学校がなくなってしまい,さらに少子化,人口減少が加速されるということは間違いありません。現在,自治会,町内会や社会福祉協議会など地域団体の大半が学区単位で活動されており,このような学校の統廃合は,即コミュニティーの崩壊につながるとともに,広島市は都市部に住んでいないといろいろなサービスが受けられなくなるということにもなりかねません。  そこで,何点かお伺いします。  1,素案にもありますが,学校の適正配置等について,検討する目的を教えてください。単純に経費節減にあるのではないかという懸念も持っております。  次に,学校の適正配置のあり方に関する検討のスケジュールを簡単にお示しください。  次に,「広島市立学校適正配置等のあり方に関する検討協力者会議」の検討結果は,来年度策定される学校の適正配置等に関する計画にどの程度反映されるのか教えてください。  議会での意見等はどのように反映されるのか教えてください。  学校の適正配置等の考え方としては,単純に児童生徒の数だけで判断するのではなく,地域の状況をかんがみるべきであると考えていますが,いかがでしょうか。  本年3月末をもって日浦西小学校が廃校になりました。何度か運動会や学習発表会などにお伺いしましたが,先生方もいろいろ工夫され,すばらしい授業をされているとともに,地域の方との結びつきも強く,子供たちには,ふるさと意識,大好きな母校日浦西小学校といった意識も大きく育っていると感じました。それこそ,悪い子には絶対にならないと強く感じたことが今でも鮮明に残っています。廃校になった後も校舎の清掃,グラウンドの芝刈りなど跡地の維持管理を地域の方や保護者の方が率先して行っておられます。また,運動会も町民運動会として,ことしも子供たちと一緒に開催するなど,学校がなくなっても頑張ろうと懸命に努力されています。学校を廃校にすると,あちこちでこのようなことが起こるし,例えば高齢化が著しく進み,このような努力すらできない地域も出てくるのではないかと思います。  このような,地域の御努力がむだにならないよう,地元から要望が出ている,地域住民のコミュニティーの場として使用されている校舎にかわるものとして,廃校後の跡地に新しい集会所を建設することについて格別の配慮をいただくべきと考えますが,いかがでしょうか。  このように地域の灯台の役目を果たしている小中学校について,その統廃合を数の論理や経費節減という観点だけで実施することのないよう強く要望いたします。  次に,「青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例」についてお伺いします。  9月の中旬に安佐北区のPTAから,携帯電話のインターネット被害についての勉強会をするので来てほしい旨,連絡が入りました。PTA役員十数人の方に連絡をしましたが,全員欠席なので出席ゼロというのもいかがなものかと思い,我が中学校のPTAから私が代表で出席をさせていただきました。会場はいつも区のPTAの会議が開かれる安佐北区総合福祉センター6階の大会議室です。  講師は,何と安佐北区PTA連合会の会長さんでした。しかし,パワーポイントを使い,群馬大学の下田先生の資料などを紹介していただきながら,わかりやすく説明してくださり,とても勉強になりました。ことし7月に施行された「青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例」により始まった電子メディア・インストラクターに区Pの会長が選ばれており,研修を受けた成果を披露していただいたわけですが,単位PTAの会長もやり,安佐北区のPTA会長もやり,そして電子メディア・インストラクターもやりと,本当に忙しい中,真剣に取り組んでいただき,感謝の思いでいっぱいです。そういう意味でも残念だったのは,我が中学校で私一人しか参加できなかったことです。講師をされた会長さんに申しわけないと感じております。  さて,この講習会に参加させていただき,携帯の有害サイトは本当に危険であると実感しました。市のPTA会長が,ケータイを単なる電話と思っている保護者が多い,使い方を教えずに子供に包丁を持たせますかとの問いかけが印象的でした。そういう意味で,この条例が有効に機能することを願っています。  そこで何点かお伺いしますが,1,電子メディア・インストラクターも含めて,具体的にどのような取り組みをされているのか教えてください。  2,一たんフィルタリングをかけても,保護者に解約してもらうなどの事例が出ているとの新聞報道もありますが,これではせっかくのフィルタリングも意味がありません。こうした解約に対して,どのように対応しようとしているのか教えてください。  3,学校としてどのように取り組まれているのでしょうか。もっとも,学校は勉強を教えるところで,ケータイの持ち方を教えるというのもおかしい気もしますが,何かあればお願いします。  4,先ほど紹介したように,PTAと連携して電子メディア・インストラクターの養成をされ,PTA会長,区のPTA会長などがインストラクターになっておられますが,役職が集中し,特にお忙しい中での御活動に心から敬意を表したいと思います。ケータイの持たせ方の指導は保護者がするべきであると私も思いますが,こうした活動について,行政として何らかの支援をすべきと思いますが,いかがでしょうか。  次に,子どもの権利に関する条例についてお伺いします。  平成18年度の議会あたりから議論が始まり,昨年から本格的に検討されてきた広島市子どもの権利に関する条例ですが,PTAなど児童生徒の保護者の中で反対意見が多く,9月議会や先日開かれた子育て支援対策等特別委員会でも厳しい意見が続出しています。反対意見の多くは,権利の乱用による教育現場の混乱への懸念や不安だと思います。私もPTAにかかわらせていただいていますが,その懸念や不安を抱いている方がたくさんいます。したがいまして,この条例を検討するに当たり,このような懸念や不安をどう払拭するのかが大事な観点の一つではないかと思います。  あるセミナーに参加したのですが,権利は英語でRightで「正しい」という意味がある,したがって,権利の行使は正しいことに限定される,間違ったことに対する権利の行使はないという話がありました。この考え方が正しいかどうかよくわかりませんが,このように明確に定義していただくと,後は正しいことと正しくないことを明確にすればよいだけです。この事例のように,皆さんにわかりやすい説明や文章化が必要ではないかと思います。  ところで私は,この条例の検討,議論が開始された当初から,拙速に条例を決めるのではなく,ある程度の期間をかけて多くの市民の方の意見を聞くべきであると主張してきました。  それは,1,条例の性質上,でき上がってしまえば,急速にこの条例への関心が薄まり,つくった意義が薄れてしまうおそれがある。  2,多くの市民が子どもの権利や人権について考えるきっかけになればよいのではという理由からです。  このような反対意見が出ていることも,子どもの権利を議論する中で大切な過程であると思います。そういう意味では,今回,本年度の本条例の成立を見送られたということはよかったのかなと思います。条例をつくることありきや,逆に反対ありきではなく,じっくりと皆さんの意見をお聞きしたり,あちこちで研修会が開かれたり,学校,地域,職場など多くの市民が権利とは何かということについて考えている状況が出てくることが理想ではないかと思います。
     したがいまして,議会でももっともっと議論し,今後出てくる条例案を修正,削除,追加し,みんなが納得して他都市のように全会一致で賛成となるまで議論を尽くすべきだと思いますが,皆さんいかがでしょうか。  そこで何点かお伺いします。  1,今年度中の議会への提出はないと伺っていますが,今後のスケジュールはどのようになっているのか教えてください。  2,広島市PTAでも反対署名という動きがありましたが,反対署名が始まると聞く耳がなくなるので,理解してもらうのが困難になると思います。それは当面なくなったようなので,PTA──保護者が危惧している一部保護者,児童生徒の条例の乱用の明確な歯どめ,具体的な対応方法など,今のうちにしっかり検討する必要があると思います。9月議会でも3名の方が質問に立たれていますが,そのやりとりの中から引用し,例えばという観点から数点御質問したいと思います。すべて八軒議員の質問の中から引用させていただきます。  1,学び,遊び,休息する権利について,子供はどのようなときに行使できるのかという御質問に対して,必要なときに行使できるが,公の秩序や公衆の道徳などによる制限,あるいは子供の最善の利益を考慮して,親が子供の養育上,指示や指導を行う場合には権利が制限されることがあると御答弁されています。この権利の制限について,条文に載せるとか権利にも制限があるということを明確にすれば,PTAを初めとする保護者にも受け入れやすくなると思いますが,どうでしょうか。  2,プライバシーを守る権利と民法の親権を行う者は,子の監護及び教育をする権利を有し義務を負うという規定との整合性についての質問に対し,権利の衝突はよくあるが,一方が他者の権利を侵害した場合は,権利の乱用として不法行為となる,また,一般論として人類が法治主義という崇高な枠組みを行動の規範として採用して以来,このような権利の衝突について円滑に処理ができる知恵を今まで積み重ねている,そのような知恵を活用し,ほとんどの場合解決してきていると答弁されていますが,それを踏まえた上で,親はどのように子に対して対応すればよいのかお答えください。  3,この二つの質問からもわかるように,PTAを初めとする保護者が不安に思うような表現内容が多く,きちんとそういった不安に対し歯どめがありますとか,この条例ができることによりこのような有効な対応ができるようになるのですよといった明確な指針が示されると理解が深まっていくと考えますが,いかがでしょうか。  本条例制定後の取り組みについて,骨子──試案に子どもに関する基本的な施策の総合的な推進ということで案が何点か挙げられています。この中には,保護者の協力を要請するような施策は入っていないようですが,「青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例」などのように,PTAにインストラクターを依頼するなど,負担を強いるといったことも考えているのかお答えください。  最後に,地域の商店街の活性化についてお伺いします。  全国各地の商店街においては,集客効果や美観の向上,あるいは防犯対策などの観点から,街路灯,アーケードの設置やカラー舗装等の整備,あるいは共同イベントの実施の費用について,主として事業費を主に加入店会費等の自己資金と行政の補助金等で賄っています。しかし,こうした共同事業の実施により利益を受けていながら,コンビニエンスストアやファーストフード店等といった,いわゆるチェーン店は地元商店街組織に加入しない例が多く,費用負担などの点において地元商店街より不平や不満が起きています。  こうした状況を受け,自治体の中には,チェーン店等に商店街組織への加入を求め,互いに協力して商店街の活性化を図るための条例を制定しているところもあります。または,そうした方向に向けて改正に取り組んでいる自治体もあります。地元商店街の中に,あるいはその周辺に存在するチェーン店は,地元商店街組織に加入し,ともにその活性化のために協力し合うということが必要であり,条例等の制定により,その加入を促す必要があります。  実際に,平成16年度施行の東京都世田谷区を皮切りに,東京では27市区が制定。都道府県でも大分県が19年度,神奈川県が20年度から施行されています。先日,公明党政務調査会で行われた平成21年度税制改正及び予算要望団体ヒアリングにおいて,全国商店街振興組合連合会から公明党に対し,地域振興,商店街活性化の方策として,条例制定の促進に期待する声がありました。実際に制度運用をしている自治体の商店街では,美観の向上,防犯対策など,あらゆる観点において,一定の成果を上げているとの喜びの報告がされています。  そこでお伺いします。  1,広島市は,商店街の活性化のためにどのような施策を講じられているのでしょうか。  2,また,このような商店街加入促進等にかかわる条例の制定について,どのように考えておられるのかお答えください。  以上で終わります。どうもありがとうございました。(拍手) ○藤田博之 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       西田議員の御質問にお答え申し上げます。  最初に,農山村地域の過疎についての質問がございました。  広島市は,市街地の南側に青く穏やかな瀬戸内海を抱え,北側には緑豊かな山々が連なり,また,デルタ部には6本の清らかな川が流れる自然環境に恵まれた美しい都市です。こうした中にある農山村地域は,居住の場であるだけでなく,市民へ安全・安心で新鮮な農産物等を生産・提供する場でもあり,さらには土砂災害の防止,水源の涵養機能や伝統文化の継承の機能等も有するなど,健康で豊かな市民生活の創造に貢献しています。  過疎問題に対する一般的な認識は,過疎が地域の生活機能や地域活力の低下を招くとともに,農地や森林の持つ公益機能を低下させ,都市全体にさまざまな問題を生じさせるというものでした。  これからは,こうした発想を転換し,農山村地域の持つ豊かな緑や静けさ,空気や水の清らかさ,さらには治安のよさなどの魅力を積極的に評価することが重要であると考えています。そして,その魅力を十分に活用,アピールすることにより,農山村地域を新しいライフスタイルづくりの場としてとらえることが必要です。その考え方の根底にあるのは,農業の持つ人間と自然をつなぐ本質的な役割への認識です。農業には,食糧を生産するという,こうした本来の役割だけではなく,土や生き物と触れ合いながら農作物を収穫する感動や農作業を通じた健康づくりといった魅力もあります。  本市では,農業に対するこうした認識に立って,これまでにも農山村地域が持つ緑豊かな森林や田園風景を初め,歴史,文化といった地域資源を活用して都市住民との交流活動を地元の方々とともに行ってきました。例えば,世界的な旅行ガイドブック出版社であるロンリープラネット社の編集者によると,若い人が旅行先を選ぶときには,例えば山歩きなどができる場所のあることが最近のトレンドなのですが,市内にはこうした魅力ある里山が多くあります。こうした里山を活用した,安芸区里山あーと村での森のジャズライブの開催や,安佐北区安佐町での千年杉を活用したハイキングコースの整備など,魅力的な取り組みが行われています。  また,佐伯区湯来地区では,デジタル・ディバイドの解消を目的に衛星ブロードバンドの実証実験を行っており,将来のインターネットを活用したビジネスの創出や地域情報の発信などを目指した新たな取り組みも始まっています。  今後とも,農山村地域における課題は都市全体の課題であり,新しいライフスタイルの種でもあるとの認識のもと,豊かな自然環境や伝統文化などの地域資源や,農業体験や住民との交流などの地域の魅力,そしてICT等の技術のさらなる活用に取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○藤田博之 議長       企画総務局計画担当局長。 ◎湯浅敏郎 企画総務局計画担当局長    過疎対策について,総合計画への位置づけに関する御質問にお答えいたします。  過疎対策は,次期総合計画における重要な課題の一つであると考えております。このため,本年4月に取りまとめた総合計画の主要改定課題の一つに過疎対策の推進を掲げ,現在その対応策の検討を進めております。  対応策の案では,過疎化が進む地域の特性や実情を踏まえながら,地域住民との連携のもと,関係部署が一体となって総合的な過疎対策を推進するという基本的な考え方を述べ,農地・森林の保全と産業の振興,生活環境の整備とコミュニティーの活性化等,交流・定住の促進という項目を掲げ,具体的な取り組みを盛り込んでおります。  先ほど市長が答弁いたしましたように,農山村地域の持つ資源や魅力を積極的に評価し,農山村地域を新しいライフスタイルづくりの場としてとらえるなど,発想の転換を図りながら対応策に基づく総合計画の素案づくりを進めてまいります。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       こども未来局長。 ◎梶原伸之 こども未来局長  子どもの権利条例についての5点の質問にお答えいたします。  まず,今後のスケジュールについてでございます。  子どもの権利に関する条例──仮称──につきましては,今年度末まで条例骨子──試案の周知とそれに対する意見募集を行っていくことにしています。現在,「市民と市政」,新聞の折り込み及び広島市のホームページに条例骨子──試案を掲載し,市民の意見を募集するとともに,子供の意見や関係団体の意見の聞き取りを行っています。この聞き取りの結果や広島市子どもの権利に関する条例──仮称──について意見を聴く会の意見,議会での議論などを踏まえまして,来年度には条例骨子案を取りまとめ,これに対する意見募集を行います。そして,それを踏まえた条例案を作成し,議会に提案いたしたいというふうに考えています。  次に,子どもの権利に関する一定の制限について,これを条文にする等明確にしてはどうかとのことでございます。  9月議会で御答弁いたしましたとおり,学び,遊び,休息するなどの子供の権利は,子供にとって必要なときに行使できるものと考えていますが,権利を行使するに当たりましては,公の秩序とか公衆の道徳,子供の最善の利益を考慮して,親が子供の養育上必要な指示や指導を行う場合には制限を受けるものであると考えています。このような権利が制限されることを明確にすることにつきましての議員の提案につきましては,一つの提案として受けとめさせていただきます。  次に,プライバシーを守る権利と親権との整合性についての御質問でございますが,プライバシーを守る権利と親権──親の権利,これが衝突するような場面においては,幅広く長期的な視点を持つ親が,子供の最善の利益を図る観点から,子供に対応することが大切であるというふうに考えます。  次が,保護者の不安に対し,条例の有効性などの明確な指針づくりについての御質問でございます。  保護者を初め,市民の方に十分説明し意見をお聞きした上で,わかりやすく正確な表現で,子供が子供として尊重され,また,健全に成長することの支えとなる条例をつくっていきたいと考えています。また,御提案のような保護者や市民の理解が深まる取り組みを行っていきたいというふうに考えています。  最後ですが,条例制定後の取り組みについて,保護者に負担を強いるような施策があるのかという御質問でございます。  条例の骨子──試案では,子供の権利に関する規定だけでなく,子供に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための総合的な計画を策定する規定も掲げています。この総合的な計画に基づく具体的な施策を推進するに当たりましては,保護者の方,地域の方々,学校等の関係者,事業者,行政などがその役割と責任を果たしていくことが必要であるというふうに考えています。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       経済局長。 ◎重藤吉久 経済局長     地域の商店街の活性化についての御質問にお答えします。  本市経済の発展のためには,商店街の活性化が不可欠であると考えています。このため本市では,商店街等が実施する勉強会や研究会に対するアドバイザーの派遣や商店街のアーケード改修,街路灯整備等に要する経費への一部補助,商店街みずから創意工夫を凝らして行う取り組みへの補助,商店街とNPO等が協働で実施する事業への支援など,商店街の活性化のための施策を実施しています。  また,息の長い取り組みを続け,成果を上げている暴走族追放運動や流川・薬研堀地区の健全なまちづくり,ザ・広島ブランド認定制度やひろしまグッドデザイン賞顕彰制度の実施,市民及び内外の観光客向けのマップ作成,袋町「裏通り」活性化委員会との共同による「クーポン付きエリアマップ」プロジェクトの実施,「繁華街・バリアフリー・トイレマップ」作成への協力など,商店街の活性化につながる事業を幅広く展開しています。  さらに,店舗演出や接客などが優秀と認められ,地域に根づき親しまれている中小小売店舗を顕彰するなど,個店も含め幅広く小売業の振興を図っています。  商店街の活性化を図るためには,議員御指摘のとおり,地元商店だけでなく,チェーン店や大型店等も商店街に加入していただき,地域一体となった取り組みを進めることが重要であると考えています。  一方,昨年,本市が,先行して条例を制定している都市に問い合わせを行ったところ,条例により必ずしも加入が促進されたとまで言える状況にはないと聞いています。  したがって,まずは商店街が地元住民などと協働したまちづくり活動を広げ,商店街未加入の店舗にも商店街活動の意義や重要性を認識していただき,地域が一体となってまちづくりに参画する機運を醸成していくことが大切であると考えています。  今後とも,こうした取り組みに加え,商店街への加入を促進するためにはどのような方策が効果的か,条例化も含め研究してまいります。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       都市活性化局長。 ◎濱本康男 都市活性化局長  過疎対策の取り組みについてお答えを申し上げます。  初めに,この1年間の取り組みについてでございます。  取り組みを進めるに当たって,まず現状把握が必要であることから,今年度は過疎化が懸念される地域について,人口の減少率や高齢化率,人口推計等のデータを収集・集計・分析するとともに,区役所とも連携してこうした地域に職員が出向き,地域の現状の確認や地域住民の方々との意見交換などを行っております。  また,過疎対策に先進的に取り組んでおります島根県の中山間地域研究センターと,対策の現状や今後の方向性などについて,数回にわたり意見交換などを行っております。  こうした取り組みにつきましては,関係部署相互の緊密な連携を図るため,庁内の連絡調整会議を本年6月に立ち上げて,地域の現状把握や情報の共有化を図っております。  次に,どのような施策を考えているのかという点ですが,過疎化の進みつつある地域における活性化の取り組みとして,本市でも田植えやこんにゃくづくり体験などの都市と農村の交流事業が行われるなど,地域の方が生きがいを持って活動をされている事例があります。新たな過疎対策については,先ほど議員が御紹介をされた事例を初めとして,他都市の成功事例などを参考にしながら,市長が御答弁申し上げたように,地域の持つ資源や魅力のさらなる活用に取り組んでいくことを基本姿勢としながら,地域の方々との協働による実効性のある施策を実施したいと考えております。  最後に,クロスセクションの設置についてでございます。  過疎対策は,福祉,医療,経済,教育,コミュニティー,交通,通信,防災など多くの行政分野に関係していることから,効果的な対策を実施するためには関係部局間の緊密な連携が不可欠です。このため,現在,庁内連絡調整会議において検討を進めており,今後その検討状況を踏まえ,本市の重要な課題の一つとして総合的な取り組みを進めるため,クロスセクションの設置についても検討してまいります。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎岡本茂信 教育長      学校の適正配置等の検討についてでございますが,全国的な出生率の低下に伴い,本市においても1校当たりの平均児童生徒数,学級数はともに減少してきており,学校の小規模化が進んでいます。こうした学校の小規模化に伴って,児童生徒が相互に刺激し合い,切磋琢磨する機会が少なくなることや,教職員の減少により選択教科,部活動等において生徒の多様な要望にこたえられなくなるなどの教育面の問題が懸念されており,これらに適切に対処する必要があります。また,老朽校舎の改築や校舎の耐震化などに伴う財政上の課題にも対処する必要があります。  教育委員会としては,こうした諸課題に適切に対応し,児童生徒教育環境の一層の向上を図ることを目的として,このたび学校の適正配置等について検討を開始いたしました。  検討のスケジュールでございますが,本年7月に学識経験者,保護者団体及び地域団体の関係者,市民委員並びに市立の小中学校の校長により構成する「広島市立学校適正配置等のあり方に関する検討協力者会議」を設置しました。この会議では,市民アンケートを実施するなどして幅広い観点から検討しており,来年3月までには学校の適正配置等に関する意見を取りまとめる予定にしています。  教育委員会としましては,その意見を踏まえて,平成21年度,2009年度に広島市立学校適正配置等に関する計画──仮称でございますが──これを策定することにしており,この計画に基づき平成22年度,2010年度から,具体の学校の適正配置等に取り組みたいと考えています。  また,この会議及び議会の意見の反映についてでございますが,この検討協力者会議は,学校の適正規模,学校の適正配置等の考え方,学校の適正配置等の取り組み方などについて幅広い観点から意見をいただくため設置したものです。  したがいまして,平成21年度,2009年度に予定している広島市立学校適正配置等に関する計画──仮称──の策定に当たりましては,この会議の意見は当然反映させるべきものと考えておりますし,議会の意見につきまして,十分尊重しながら取り組んでまいります。  続いて,地域の状況の考慮でございますが,検討協力者会議では,学校の小規模化に伴う諸課題に対処するためには,適正配置等について検討する必要があるという認識では一致しています。しかしながら,進めるに当たっては,学校と地域とのかかわりの重要性やそれぞれの地域特性を十分考慮する必要があるとの意見も多く出されております。また,市民アンケートの結果でも,56%の回答者が地域の事情に配慮しつつ,学校の適正配置を進めることが望ましいとする意見でございました。  こうしたことから,教育委員会としても学校の適正配置等を進めるに当たっては,地域の事情に十分配慮する必要があると考えており,そのためにも保護者,地域住民,地域団体との十分な協議を重ねて,その理解を得るよう努めていくことが重要であると認識をいたしております。  最後に,日浦西小学校跡地でございます。  旧日浦西小学校の校舎は,災害時の生活避難場所や選挙の投票所としての役割を担うとともに,自治会総会や地区運動会などの地域行事に利用されるなど,地域コミュニティーの拠点として重要な役割を果たしてきました。  こうしたことから,学校の閉校に当たっては,地元自治会から,自治会総会ができる程度の規模を持つ集会施設整備の要望がありました。この要望を受けまして,現在,旧校舎の活用も含めまして,集会施設の整備について検討しています。旧校舎の改修に要する費用と新築に要する費用の比較や,議員御指摘の地元からの新築の要望等を十分踏まえて,引き続き集会施設の整備に係る検討を進めてまいります。  続きまして,「青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例」でございますが,具体の取り組みでございます。  テレビ,インターネット,携帯電話などの電子メディアが青少年に多大な影響を及ぼしていることから,青少年をインターネットの有害な情報から守るとともに,電子メディアと上手につき合い,ルールとマナーを守って情報を正しく活用できる青少年の育成を目指し,本年3月に「青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例」を制定し,7月から施行しています。  施行に当たりましては,条例を周知するために広島市のホームページや広報紙,テレビ等での広報を行うとともに,啓発用のリーフレットとポスターを作成しています。リーフレットについては,市内すべての小学5年生から高校生までの児童生徒の保護者に配布するとともに,携帯電話,パソコンの販売店やインターネットカフェの各事業者へも配布しています。また,ポスターについては,市内の中学校,高等学校及び各事業者へ掲示をお願いしています。  条例施行後,8月には「電子メディアについて考える保護者の集い」を広島市PTA協議会と共催して開催し,インターネット時代の子育て教育・基礎知識をテーマとした講演を行うとともに,今後の啓発事業の中心となって活動していただく電子メディア・インストラクターを養成する学習講座を開催しました。この講座の受講者は,電子メディア・インストラクターとして地域の会合で講演するなど,啓発活動を既に開始しています。  こうした取り組みのほか,家族で日にちを決めてテレビ,ビデオを見ない,テレビゲームをしないというノーテレビデー推進事業を実施しています。この事業は,中学生以下の子供がいる家族を対象に,平成17年度,2005年度から実施しており,本年度は1万家族を超える参加となっています。昨年度の参加家族へのアンケートでは,ノーテレビデーに参加した感想として,「とてもよかった」と「よかった」を合わせると82.8%ありました。よかった内容としては,「家族との会話がふえた」が53.5%,「読書がふえた」が44.4%となっており,年々市民への理解が深まり,参加者も増加しています。  続きまして,フィルタリングの解約でございますが,本条例では,携帯電話については,青少年の利用が見込まれる際に,必ずフィルタリング機能を備えた上で,販売,貸し付けすることを事業者に義務づけています。条例の施行から2カ月後に市内中心部にある携帯電話4事業者の販売所13店舗を訪問し,聞き取りを行ったところ,解除の申し出を受けたのは1事業者4店舗でした。  インターネットを介して青少年が犯罪に巻き込まれる状況は年々増加しており,青少年を有害情報から守るためにはフィルタリングの利用が重要であることから,この普及のために,学校,事業者とより密接に連携を図り,保護者や青少年への啓発を進めてまいります。  また,学校においては,子供の発達段階を踏まえ,情報教育の指導計画を作成し,子供たちに情報を主体的に選択・活用できる能力を育成するとともに,インターネットやコンピューター,携帯電話等の情報手段を活用する際のルールやマナーなどの情報モラルについての指導を行っています。  こうした指導の充実を図るため,教育委員会としてもコンピューターやインターネットを利用する際の留意事項や情報モラル教育の指針などを示した教師用の手引書を全小中学校に配布するとともに,特に小学校には児童用の教材として「インターネットを使う時のルールとマナー」を配布しています。  また,学校では,携帯電話等による有害情報や犯罪被害などから子供たちを守るために,講師として警察署の少年育成官等を招き,非行防止教室を開催し,有害サイトへのアクセスの危険性や携帯電話等の適切な使用等に関する指導を行っています。  さらに,本年10月22日に広島中央警察署の呼びかけにより,株式会社NTTドコモ中国支社,本市教育委員会の3者で協定を結び,専門家による支援体制を整えたところであり,今後ともこうした取り組みを充実していきたいと考えております。  最後に,電子メディア・インストラクターの活動への支援でございます。  この条例を実効性のあるものにするためには,保護者の理解が不可欠であり,啓発を進める人材の育成が急務となっています。このため電子メディア・インストラクターを養成し,地域でのきめ細かな啓発活動を進めていきます。  今後の啓発の進め方につきましては,電子メディア・インストラクターと継続して協議をしています。本市としては,電子メディア・インストラクターの活動に対して,講演等で必要となる機器やインターネットによる有害情報を検証するための携帯電話の貸与など,支援について検討しています。こうした活動を通して,保護者,学校,事業者とともに青少年をインターネットの有害情報による被害から守り,電子メディアを適正に利用する青少年の育成に努めていきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       西田議員。 ◆5番(西田浩議員) 再質問はしませんけども,要望だけ言って終わりたいと思います。  まず,過疎化対策なんですけども,この1年間ですね,局長さんにも現場に来ていただいたりとかそういう話は聞いておりまして,非常に危機感を持たれたんではないかというふうに思っております。そういう意味で,ぜひクロスセクションを設置していただいて,早急に取り組んでいただければなというふうに思います。広島市の発展にとっても非常に大事なことだと思いますので,ぜひよろしくお願いいたします。  それと,子どもの権利条例ですけども,とにかく表現がどちらでもとれるような表現になっているというところに僕は,今,反対されてる大きな理由があるんじゃないかなと思ってますので,そこをきちんとわかりやすく,例えば名古屋の子ども条例なんかは非常にわかりやすい言葉で書いてあったりとか,そういったことも参考にされて,とにかくわかりやすくつくるというのが僕は大事じゃないかなというふうに思います。  それと,適正配置の件なんですけども,これも子ども条例と一緒で,適正配置だけ見ると,そういう言葉だけ見ると小さい学校は全部廃止されるんじゃないかなとかですね,そういった懸念がやっぱり受け取られるので,しっかりその検討内容とか,こういうふうに進めますとかいう情報発信もしていただければ皆さん安心されるんじゃないかなと思いますので,よろしくお願いします。  以上です。 ○藤田博之 議長       以上で,一般質問を終わります。           〔藤田博之議長退席,佐々木壽吉副議長議長席へ〕
    ─────────────────────────────────────── △日程第2┌自第107号議案 平成20年度広島市一般会計補正予算(第3号)      ┤      └至第131号議案 契約の締結について(霞南住宅(仮称)新築工事) ─────────────────────────────────────── ○佐々木壽吉 副議長     次は,日程第2,第107号議案から第131号議案を一括議題といたします。  これより質疑に入ります。  発言通告者に順次発言を許します。  38番中森辰一議員。                〔38番中森辰一議員登壇〕(拍手) ◆38番(中森辰一議員) お疲れさまです。日本共産党市会議員団を代表いたしまして,議案に対する質疑を行います。  まず,補正予算のうち,障害者就労訓練設備等整備補助について伺います。  自立支援法では,すべての障害者施設が自立支援法が規定する新体系のサービスに平成23年度までに移行することになっております。今回の補正予算は,五つの施設が新体系に移行するために必要な設備に係る費用を国が補助するものです。  障害者自立支援法によって,特に通所施設の場合は施設に支払われる報酬のあり方が日払い方式に変わって,収入が減ったことで職員の賃金にしわ寄せせざるを得なくなっている問題や,人間として生きていくためのサービスを私的な利益だという応益負担の考え方に,根源的な批判が上がっている問題をこれまで指摘してまいりました。  一方,今回の補正予算にある障害者施設が新体系に移行することについても,深刻な矛盾が明らかになっております。今回の補助の対象事業所は五つの事業所ですが,広島市では,いまだ新体系に移行しない事業所の方が圧倒的に多いと言ってもいい状況です。  心身障害者の小規模作業所は,27施設のうち14施設と,移行した施設の方がわずかに上回っておりますが,38の心身障害者施設のうち,わずか9施設しか移行しておらず,精神障害者の施設も共同作業所を含めた30施設のうち,移行した施設は6施設だけです。自立支援法が施行されて3年目ですが,全国的にも,ことし4月時点で全施設のうち3割しか移行しておりません。これは知的障害や精神障害では障害認定区分が不当に低く出てしまうため,知的障害者の施設や精神障害者の施設では,新体系に移行すると施設に支払われる報酬額が現状より大幅に減少し,深刻な経営困難に陥るからです。これは広島市の障害者福祉行政にとっても重大な問題だと思います。今回のような補正予算を出すだけではこの問題は解決しませんが,市の行政としてどのようにとらえておられるのか伺います。  私どもは制度全体の抜本的な見直しが必要だと考えておりますが,現状のままでは知的障害者が多い施設や精神障害者の施設は,新体系に移行しないまま平成23年度末の期限を迎えることになります。それまでに移行しなければ平成24年4月以降は公的な収入が得られなくなり,施設を維持できなくなりますが,しかし,移行しても大幅な人員削減や賃金カットなどを行わざるを得ず,施設の存続やまともなサービスの提供に困難を来すことになります。平成24年度以降,広島市の障害者福祉は深刻な事態に陥ることになります。今回のような予算を上げるだけでなく,そうした事態にならないために市としても実効ある対策をとる必要があると考えますが,どういうことをお考えか伺っておきます。  次に,学校施設の耐震化について伺います。  今回,小中学校の校舎の耐震補強工事,屋内体育館の耐震補強工事の予算案が出されております。私は,阪神大震災が起きた年に議員になりましたけれども,そのときからずっと未来を担う子供たちが日中の大半を過ごす校舎の耐震化を急ぐ必要があると強調し続けてまいりました。残念ながらほかの施設が優先され,震災から丸14年たってやっと校舎に手がつくところまできました。私は,校舎の耐震化を進めるのであれば,できるだけ急いで耐震化を完了する必要があると考えておりますけれども,最近の相次ぐ地震災害,さらに校舎が崩れて膨大な子供の命が失われた中国・四川大地震を踏まえて,政府もやっと早急な学校施設の耐震化を進めようとしております。  政府は,これまで大規模地震により倒壊などの危険性が高い施設,IS値が0.3未満の建物を今後5年をめどに耐震化を図ることにしていました。ところが,ことしの6月13日付で各自治体に対して文部科学大臣名で文書を送り,さらに前倒しで3年程度を目標に取り組むよう要請しております。その財政面の裏づけとして,耐震補強工事の場合は,工事費の3分の2を補助する,残りの3分の1については起債充当率を90%まで認める,その元利償還金は3分の2の額について地方交付税を上乗せするとしております。計算しますと補強工事の場合,名目上の実質の市の負担は工事費の13.3%ということになります。条件つきながら改築も認めておりまして,この場合は実質の市の負担は20%となります。今回の補正の財源はこれを踏まえたものだと考えますが,そのとおりでしょうか,まず伺います。  先日,教育委員会の担当課長から聞き取ったところによりますと,耐震化が必要な小中学校の校舎は301棟,そのうち実際に耐震診断を行った結果,IS値が0.3未満など,つまり大規模地震で倒壊する可能性が高いと診断された校舎が41棟あります。この41棟は平成24年度末までに耐震化を完了したいとしております。  一方,耐震診断をしていない校舎を含めて,IS値が0.3未満である可能性が考えられるのが,政府の推計の仕方を当てはめますと,301棟のうちの3割程度で,大体90棟程度出てくる可能性があるという説明でした。この90棟をいつまでに完了するお考えかお答えください。  また,実際にIS値0.3未満の校舎がどの校舎か,早く診断を完了する必要がありますが,どうされるお考えかお答えください。  一方,政府の特別の財政措置は平成22年度までの3年間となっております。文部科学大臣が3年間での完了を目標にしてもらいたいとし,その範囲でやってくれれば極めて有利な財政支援を行うとしております。  しかし,広島市の教育委員会では,平成24年度末までに41棟をやるとしています。崩れる可能性が高いことが明らかになっている41棟も3年以内に終わりません。耐震診断をやれば,さらに50棟以上の危険性の高い建物が明らかになる可能性がありますが,これらはその後になるんでしょうから,政府の優遇措置を利用できません。つまり,現状のままでは危険性の高い校舎だとわかっていても,厳しい市の財政事情がそのまま影響して,早急な補強ができないことになりかねません。あらゆる努力を尽くして3年以内で完了できる校舎をもっとふやすことが必要です。同時に,これから危険性が明らかになるものも含めて,広島市ができるだけ早くこうした校舎すべてを耐震化するためには,国の平成22年度までの時限措置をさらに延長してもらう必要があります。市として,教育委員会として,実効ある行動を起こす必要がありますが,何かお考えがあるのか伺います。  次に,これらを完了しても,なおIS値0.3未満ではありませんが,補強が必要な建物が二百数十棟残ります。これらの耐震化計画も同時に立て,着実に実施する必要があります。この点についてのお考えも伺っておきます。  この問題の最後に,この特別措置のための地震防災対策特別措置法改正では,耐震診断の結果の公表を義務づけております。広島市では,いまだ公表が実施されていないと思いますが,実施されるのかどうか伺っておきます。  次に,広島市立大学法人化準備について伺います。  今回,市立大学を独立行政法人化する準備のための予算が提出されております。平成22年度から法人化するということです。国立大学が既に国立大学法人となり,公立大学の多くが独立行政法人になっております。公立大学の独立行政法人化という流れができているわけですが,国立大学は法律ですべてが法人にならざるを得ませんでしたが,公立大学は地方の判断に任されている点が重要だと考えます。  そもそも,地方独立行政法人制度は,何のために導入されたのでしょうか。政府が設置した地方独立行政法人制度の導入に関する研究会が,平成14年に報告書を出しておりますが,その中で,この制度を実施する意義の第一に,政策の企画・立案機能と実施機能の分離ということを挙げております。独立行政法人制度というのは,国と自治体の仕事を企画・立案機能に限定する一方で,行政サービスの実施機能を国と自治体本体から切り離す行政改革の手法として導入されたものです。そのままでこの制度が大学に導入されれば,大学も行政の進める政策の下請実施機関になり下がることになります。だからこそ地方独立行政法人法が成立した際に,衆議院と参議院双方で憲法が保障する学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう,大学の自主性・自律性を最大限発揮し得るための必要な措置を講ずることと附帯決議が上げられております。つまり,公立大学の独立行政法人化は,学問の自由や大学の自治を損なう可能性を秘めている問題を抱えていることを,成立させた国会が懸念しているということです。  広島市立大学は,市民全体の財産だと思いますが,学問の自由と大学の自治は市立大学にとって最も重要なことだと思います。それを侵す問題を抱えた法人化をあえて行おうとするからには,よほどの理由が必要だと思いますし,法人化の方針を決めるに当たっては,その説明責任が市民に対してあると思いますが,その理由と市民への説明責任を果たされたのかどうかについて説明を求めます。  次に,独立行政法人大学のあり方について,既に基本的な方向が固まっていると思いますから,幾つかあり方に関して伺います。  まず,大学の自治を保障する上で重要なことが人事権だと思います。教授会の人事権はどうなるのかお答えください。  地方独立行政法人法第57条では,職員の給与は,その職員の勤務成績が考慮されるものでなければならない,退職手当以外の給与と退職手当の支給の基準は,当該一般独立行政法人の業務の実績を考慮したものとなるよう定めなければならないとしております。つまり,教員の給与などは成果主義になるということではないかと思います。この点についてのお考えを伺います。  また,横浜市立大学や首都大学東京など,教員の任期制が導入されておりますが,教員の身分が不安定なものになるのではないかと思います。任期制についてはどういうお考えか伺っておきます。  任期制を導入するお考えであれば,大学の自治がどうなるかということがありますが,任期制の導入によって学問の自由と長期的視野に立った研究の保障という点が損なわれるのではないかと危惧しますが,この点のお考えもあわせて伺います。  次に,独立行政法人になれば職員は公務員でなくなりますが,職員本人の意思にかかわりなく,公務員としての身分を奪うことは問題だと思います。どうされるのか伺います。  次に,財政的な問題ですが,独立行政法人制度は行政の効率化の手法であり,導入は広島市行政として財政的なメリットを求めることになると考えます。国立大学では,人件費を除いた国からの運営費交付金が毎年1%削られる仕組みになっております。人件費の削減も進めております。同様の財政効率化を市立大学にも求めるとなりますと,大学は財政的に厳しくなり,教育・研究条件の悪化などが起きることになります。これは大学の本来の役割が果たせなくなることを意味しております。法人化後の大学の収入はどのように保障されるのか伺います。  また,9月議会で貧困と格差が広がる中での学費の問題を議論いたしましたが,財政効率化が求められる中で,十分な教育・研究を進めようとすれば,その財政的なしわ寄せが学費に及ぶことが考えられます。学費の引き上げが行われれば,現状でも学生の市外流出が言われておりますが,一層それに拍車をかけることになりますし,多くの青年が広島市立大学で学ぶ権利を奪われることになります。この面では広島市として政策的に学費の引き下げが行えるような財政支援が必要になると思いますが,法人化が学費の引き上げにつながらないと保障できるのかについて答弁を求めておきます。  この項の最後に,独立行政法人化によって設置者である広島市との関係で,学問の自由と長期的視野に立った研究の保障という点はどうなっていくのかについて伺っておきます。  次に,広島市中央卸売市場業務条例の一部改正案について伺います。  この条例改正案は,卸売業者が生産者から生産物を委託され,販売した際の委託手数料の率を自由化するものです。つまり,率の大きい小さいで競争させようというものです。  昨年11月15日に行われました第47回広島市中央卸売市場開設運営協議会で,経済局長があいさつの中で,生鮮食料品等の流通は全国的な傾向として市場経由率が低下しております,卸売市場を取り巻く環境は厳しいものとなっておりますと述べております。こうした市の認識のような状況の中で,委託手数料が自由化されるとどうなるんでしょうか。自由化によって生産者から手数料率引き下げの要求が強まることは避けられず,手数料引き下げ競争で中小卸売業者の弱体化が起こります。その結果として,中小卸売業者の再編や淘汰が進めば卸売市場そのものの衰退,廃止につながり,中小小売店や零細の産地の衰退を進めることになると考えます。こうした点は,昨年の第47回協議会で各委員が深刻な問題として指摘をしております。  そこで,この協議会での発言に関して幾つか質問を行います。  まず,法改正の必要性について,政府の立場を担当課長が説明しておりますが,その中で,我が国の経済社会の抜本的な構造改革を図るため,卸売市場においても規制緩和を進めることが必要と説明しております。構造改革のために必要だというわけです。今日,構造改革のかけ声でさまざまな規制緩和が行われてきた結果がどうなっているでしょうか。世界のトヨタを初め,我が国を代表する製造大手企業が,何百人,何千人という労働者を何の補償もなしに,それこそ競い合うように首切りをして社会不安を広げております。その大もとは,アメリカが推進し,我が国政府も追随したばくち経済の破綻です。マネーゲームで危機に陥った大銀行は自業自得ですが,貯蓄から投資へという政府の政策で多くの高齢者などが銀行が販売した投資信託で,とらの子を失っております。また,介護保険制度での大手企業の不正,次々と発覚してもなおやまない食品偽装などにあらわれた企業倫理の喪失,政府が販売した事故米の事件と,反社会的事件は枚挙にいとまがありません。これらはいずれも構造改革,規制緩和の産物です。これらの結果が市民の暮らしと健康と地域経済を脅かしております。なぜ構造改革のために卸売市場においても規制緩和を進めることが必要なのか,市にお考えがあれば教えていただきたいと思います。  次に,協議会の議論の中で,ある委員は,委託手数料は利益の源であって,委託手数料が変わると産地や買受人にも影響が出てくる,委託手数料の弾力化は市場システムの根幹を揺るがすものであり,卸売業者や広島市が判断を誤ると崩壊しかねないと指摘をしています。  また,生産者の委員は,市場の集荷力が落ちる反面,一極集中が起こるのではないかと懸念しますと述べています。また,委託手数料を源泉とする出荷奨励金は,産地づくりに効果があったと指摘していますが,このことは委託手数料収入が減れば産地にも悪影響を及ぼしかねないということではないでしょうか。  さらに学者の立場の委員は,卸売業者が競争力を強化して卸売市場の活性化を図ることが目的だと言うが,そんなに簡単にいくわけがないと批判をし,東京や大阪といった大消費地を背景に持つところと広島とでは役割が違うのではないかと指摘をしています。  別な委員は,生産者から販売の委託を受ける委託集荷と生産者から生産物を買い付ける買い付け集荷は今3対1の割合だが,買い付け集荷の利益率は下がる一方であり,委託手数料の弾力化で委託手数料率が崩れて,買い付け集荷と委託集荷の割合が逆転すれば,全国で多くの卸売業者が倒産すると指摘をしています。まさに生鮮食料品などの流通システムが,危機に陥りかねないという認識が口々に語られております。こうした懸念や指摘について,広島市当局としてどのようにお考えか答弁を求めます。  この協議会の最後に担当課長は,全国的に中央卸売市場の経由率が低下し,取扱量が減少する中で,市場の関係者の努力によって取扱量は10年前とほぼ同じ水準を保っているとした後,広島市民にとって中央卸売市場は本当に必要なシステムだと述べております。また,市場長は,卸売価格の下落について,生産者のことを考えますと再生産費も賄えず,農業や漁業に魅力を感じられなくなるのではないかと懸念しております,適正な値をつけ,消費者も理解して買っていただくことが市場システムの継続につながると述べております。  今日,改めて安全な食品を国内で確保することが社会の強い要請となってきております。さらに地産地消の拡大の要請もますます強まっております。その前提は,再生産を持続し,拡大していくことです。そのために生産者と消費者の間に立つ中央卸売市場がどういう役割を果たすのか,手数料率が自由化されれば,この協議会で懸念されているような逆風が吹くことになります。そういう中で,広島市民の食生活にとって必要で重要な中央卸売市場のシステムをどう発展させていくのか,市としてのお考えがあればお聞かせください。  以上,明確な答弁をお願いして質疑といたします。ありがとうございました。(拍手) ○佐々木壽吉 副議長     健康福祉局長。 ◎三村義雄 健康福祉局長   障害者就労訓練設備等整備補助についての質疑にお答えいたします。  まず,障害認定区分に関してでございます。  障害程度区分については,現在,国が定めた106の調査項目に基づく一次判定の後に,医師意見書等を加味して二次判定を行い,区分の認定を行っております。議員御指摘のとおり,現在の調査項目では,知的障害及び精神障害の場合,その障害特性が十分に反映されず,一次判定で低く判定される傾向があるため,本市では他の政令市とともに,これまで国に対して各障害特性が反映された調査項目等に見直すよう要望を行ってまいりました。  現在,国の方では,社会保障審議会において障害者自立支援法の見直しについて審議が行われておりますが,その中では,障害程度区分の認定のあり方を見直す方向であると聞いております。  今後,国の動向に注視して適切な障害程度区分認定となるよう必要に応じて国に働きかけていきたいと考えています。  次に,新体系の移行に当たっての対応についてでございます。  障害者施設の障害者自立支援法に基づく新体系の障害福祉サービス等への移行に当たりましては,事業者の経営基盤を確保して円滑に移行を進めるため,国において対策が講じられております。具体的には,移行前の報酬の90%を保障する激変緩和措置,それから通所サービスの報酬単価の引き上げ,通所サービス利用者数の基準の緩和,それからこのたびの補正予算に計上した障害者就労訓練設備等整備補助などでございます。これらの対策に加えまして,先ほど申し上げた国の社会保障審議会においても,新体系への移行のためには報酬改定等における配慮が必要という方向で審議が進んでおります。厚生労働省においては,報酬の引き上げを来年度予算で要求をしてるといったこともあります。  今後も国の動きを把握し,利用者が適切なサービスを受けられるよう必要な対応を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 副議長     経済局長。 ◎重藤吉久 経済局長     広島市中央卸売市場業務条例の一部改正についての3点の御質疑にお答えいたします。  今回の条例改正は,国が平成16年規制緩和の一環として卸売市場法を改正したことに基づくものです。この法改正において,手数料を全国一律に固定化しているのは卸売市場だけであり,今後は卸売業者のサービスや機能に応じた弾力的な手数料にすることにより卸売業者もビジネスチャンスが生まれ,市場外から市場へ流通を取り込む余地も生まれるという考え方を示しています。  委託手数料の弾力化に伴い,流通システムに変化があらわれることも考えられますが,本市の中央卸売市場は,東京,大阪,福岡といった大市場の影響を強く受けている現状において,今後このような大市場の動向に機敏に対応できるシステムにすることが重要であり,新しいシステムの運用について,他市場の動向を把握しながら協議,指導するようにしています。  また,近年,買い付け集荷が増加する傾向にありますが,このことは出荷者が安定した収入を確保することになり,再生産を可能にする一方,卸売業者が漫然と買い付け集荷を行えば適正な利益率の確保が困難になることが予想されます。卸売業者にとっては委託集荷,買い付け集荷ともに適正な利益率を確保することが重要であり,これまで以上に経営感覚が求められることになるため,開設者としても,より一層の適切な指導をしていきたいと考えています。  今回の条例改正は,委託手数料の定め方の手続を規定しようとするもので,届け出制への移行が直ちに競争の激化や卸売業者の経営悪化につながるものではないと考えており,本年11月5日に開催した第48回広島市中央卸売市場開設運営協議会において,生産者,卸売業者,消費者など,いずれの委員からも全会一致でこのたびの条例改正案が適当であるとの答申を得ております。  天候等に左右される生鮮食料品等を安定的に供給し,市民の食の安全性を確保する中央卸売市場システムは重要であり,低温流通システムの整備などハード面での整備,品質管理やコンプライアンス等のソフト面での指導に努め,生産者と消費者の間に立って,双方から信頼される中央卸売市場になるよう努めてまいります。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 副議長     市立大学事務局長。 ◎志賀賢治 市立大学事務局長  市立大学の法人化についての8点の御質問に,順次お答え申し上げます。  まず初めに,大学法人化の理由並びに市民への説明責任についてでございます。  現在,18歳人口の減少や厳しい大学間競争の中で,各大学はそれぞれの個性を生かしながら,知識基盤社会と言われる時代における高等教育機関としての役割を担うため,それぞれ独自の改革を懸命に進めております。このような中で,市立大学は,広島市に設置された大学として特色ある大学運営を行い,その存在価値を高めていくためには,どのような取り組みを進めるべきかということについて,学長を中心に学内で検討を行ってまいりました。あわせて,学外の有識者から成る広島市立大学運営協議会の御意見をいただきました。  また,国立大学の法人化や多くの公立大学の法人化も進展しており,私立大学も含めまして全国の大学の95%が法人格を有する状況になっております。国の大学関係の制度や企業と大学との共同研究などは法人を前提としたものに変化してきております。  今後とも,市立大学が教育・研究の質を向上させ,広島市の重要な高等教育機関として期待される役割を果たしていくためには,時代や社会の要請に迅速かつ適切に対応して自主的な大学運営を行うことが必要であるため,市の一機関としての大学運営から,法人としての大学運営に移行すべきであると考えております。  現在は,法人化の具体的な制度設計について学内の議論を深めるとともに,随時,設置者でございます市との協議を行っているところでございます。それらを取りまとめの上,法人化に際しての準備経費を来年度当初予算に計上するとともに,順次,定款の案,評価委員会条例の案など,重要な事項について市議会で御審議いただきたいと考えております。  また,これまでも公立大学法人制度の概要並びに広島市立大学運営協議会の答申など,市議会の常任委員会におきまして御説明させていただいているところでございますが,今後とも必要に応じまして,議会を初め関係者の皆様への御説明に努めてまいりたいと考えております。  次に,教授会の人事権についてでございます。  現在は,教育公務員特例法に基づいて市立大学の学則におきまして,人事に関する事項は教授会及び評議会で審議することが定められております。法人化後は教育公務員特例法が適用されないため,法人の規程で定めることになります。一般的には地方独立行政法人法に基づいて学内に設置されます教育研究審議機関におきまして審議されるものと考えております。  この教育研究審議機関は,学長,副学長,学部長等で構成されることが一般的であることから,教員の人事については,当然,大学構成員の意向を十分配慮して大学の自治の一環として決定されることにかわりはないと,このように考えております。  3番目に,教員の給与が成果主義になるのではないかということについてでございます。  教育・研究の活性化や質の向上を図るためには,教員の意欲向上等の視点から,教育・研究活動や地域貢献など多面的な視点からバランスのとれた評価基準を確立した上で,その評価結果を反映させる制度の導入が大切であると考えております。  今後も,大学内での全学的な議論,合意を得まして具体的な制度設計について検討してまいりたいと考えております。  四つ目でございます。教員の任期制についてのお尋ね,それから学問の自由と長期的視野に立った研究の保障という点についてのお尋ねでございます。  広島市立大学運営協議会からの答申にございますように,大学における教育・研究の活性化や質の向上を図るためには,教員が安定的に教育・研究を行えることを十分に配慮した制度でなければならないと考えております。このような考えを基本に,これまでの専任教員に加えまして,教育に特化した教員,あるいは研究に特化した教員など多様な人材の受け入れを可能とする特任教員制度の導入など,大学内での全学的な議論も踏まえて検討していきたいと考えております。  五つ目でございます。職員が公務員でなくなるということについてでございます。  現在の大学職員でございますが,大きく分けまして教員と事務職員で構成されております。公立大学法人になった場合の職員の身分についてでございますが,まず,現行の事務職員については,法人化後においても「公益的法人等への職員の派遣等に関する条例」によりまして,広島市職員としての身分を有したまま市からの派遣により対応するよう考えており,勤務条件等の変更はございません。  一方,教員についてでございます。国立大学法人や他の公立大学法人と同様,身分は非公務員となります。ただ,法人化することによりまして,地域貢献活動を職務としてとらえたり,あるいは兼職兼業規制の緩和,場合によっては著名な教授を招聘する自由度が高まるなどのメリットがあると考えております。  一部の大学では,先ほど御指摘のように学内の議論が不十分であったため,混乱を生じた事例もあると聞いておりますが,多くの大学では,非公務員になったことで特段の問題は生じていないようです。これらの大学の例を参考に,市立大学でも十分な学内議論を通じて,制度の理解に努めていきたいと考えております。  六つ目でございます。法人化後の大学の収入についてでございます。  法人化後の大学は,入学金,授業料,それから外部からの研究資金などの自己収入と市から交付されます運営費交付金で運営されます。運営費交付金の枠組みにつきましては,大学運営に支障が生じないよう,今後,関係部署と十分協議してルールを決めていきたいと考えております。  七つ目でございます。学費についてでございます。  授業料につきましては,広島市立大学を含むほとんどの公立大学が国立大学と同額に設定しております。法人化後の授業料等の上限につきましては,あらかじめ市議会の議決を経て,その範囲内で公立大学法人が授業料を定める仕組みとなっており,法人が独自に授業料を上げることはございません。  八つ目でございます。最後でございます。法人化によりまして学問の自由や長期的な視野に立った研究の保障という点はどうなるのかということでございます。  公立大学の法人化は,今後の大学間競争の中で高等教育機関にふさわしい教育・研究の質の維持向上や重要な都市機能としての役割を果たすため,大学みずからが責任ある判断のもとで自主的な運営を行うことができるような運営体制の改善を目的としたものと理解しております。したがいまして,憲法で保障される学問の自由が法人化によって侵されるものではないと考えております。  また,長期的視野に立った研究の保障についてでございますが,先ほども御答弁申し上げましたように,教員の安定的な教育・研究に十分配慮することは重要だと考えております。法人化を通じて教育・研究環境のさらなる充実を目指した大学運営を行っていきたいと考えております。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 副議長     教育長。 ◎岡本茂信 教育長      校舎等の耐震化に係りますことでございますが,まず,今回の補正財源でございます。
     学校整備に係る12月補正予算の総額は10億5420万円で,いずれも国の補助内定に伴うものでございます。そのうち,地震防災対策特別措置法改正に伴う学校施設耐震化に係る補助率かさ上げの財政措置の対象となっているものは,小学校校舎耐震化のうち吉島小学校分の8750万円です。このほか,法改正に伴う財政措置の対象とはなってはいませんが,耐震補強工事分として石内小学校校舎の9640万円及び小中学校7校の屋内運動場の2億1560万円を計上しています。  また,耐震化と直接に結びつきませんが,戸山小・中学校の改築分として6億5470万円を計上しております。  続きまして,IS値0.3未満等の校舎耐震化完了時期等でございます。  本市の小中学校の校舎は全体で424棟あり,そのうち耐震化が必要な校舎は301棟あります。このうち耐震診断済みの校舎は131棟,耐震診断の前段階の耐震化優先度調査のみを行ったものが166棟,その他改築計画があるものが4棟となっています。耐震診断を既に行った131棟のうち,IS値が0.3未満等,いわゆる倒壊等の危険性が高いと判明している校舎は41棟あり,これらはさきの法改正の趣旨を踏まえ,平成24年度,2012年度には耐震化を完了したいと考えています。  また,耐震化優先度調査を行った校舎166棟のうち,倒壊等の危険性が高いと判定される可能性が高い校舎は75棟です。これらについては,平成21年度,2009年度末までに耐震診断を完了し,危険性が高いと判定された場合には,同様に平成24年度,2012年度末には耐震化を完了したいと考えています。  続きまして,財政措置延長に係りますことでございます。  耐震補強工事を実施するためには,耐震診断に1年,耐震補強工事立案・評価に1年,補強工事の実施設計に1年,都合3年を経て着手し,完了までには延べ4年程度を要します。地震防災対策特別措置法に基づく財政措置は,平成22年度,2010年度までとなっていますが,この期限はこれまで二度にわたって延長されて現在に至っている経緯があります。したがいまして,本市においても大規模地震によって倒壊または崩壊の危険性が高い校舎の耐震化完了までには一定の期間を要するため,他の政令指定都市等と協力しながら機会をとらえ,その延長を国へ要請していきます。  続きまして,この耐震化計画の実施でございます。  本市では,平成18年,2006年1月に国が示した建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針に基づき,平成19年度,2007年度に校舎耐震化整備計画を策定しました。その中で,平成27年度,2015年度には耐震化率90%,平成30年度,2018年度には耐震化完了を目指しています。  最後に,耐震化状況の公表でございますが,今回の法改正において,学校施設の耐震診断の実施とその結果の公表が義務づけられました。本市では,これを踏まえ,平成20年,2008年4月現在における耐震診断実施状況や耐震補強工事実施状況など,公表内容について整理してまいりました。  このたび,そのデータ等がまとまりましたので,今議会の文教委員会において説明した上で,本市ホームページ等で公開をいたします。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 副議長     次に,13番桑田恭子議員。                〔13番桑田恭子議員登壇〕(拍手) ◆13番(桑田恭子議員) お疲れさまです。第110号議案,職員の勤務時間,休憩等に関する条例の一部改正について質疑を行います。  この議案は,他都市の状況,広島市の民間事業所の勤務時間と比較して,広島市職員の勤務時間が1日当たり10分程度長いので,市の労働時間を15分短縮するものです。1日8時間労働が7時間45分とされます。お昼の休憩時間が45分から60分にと15分間延長され,職員の皆さんには喜ばれる内容と思います。  しかし,現在の世の中の状況は,世界規模の大不況により非正規労働者の大量リストラだけにとどまらず,正社員にも雇用不安が高まっています。失業と同時に住居を失う方々も多いのです。厚生労働省の緊急調査によると,ことし10月から来年3月までの間に,失業または失業する見通しの非正規労働者は全国で3万人に達すると言われています。広島県においても全国で5番目の失業者数が見込まれています。景気の底が見えない百年に一度と言われる,総理の言葉を借りれば,未曾有の事態となっています。  このような状況の中に,簡単に15分の時間短縮を行ってよいものでしょうか。以前にも述べましたが,広島市の職員給与は全国の地方自治体のトップ,トップクラスにあります。2008年11月発行のプレジデントによると,47都道府県17政令市合わせて64自治体中3番目に高い推定年収811万円と報じられています。今回の議案には大きな疑問と違和感があります。民間の勤務時間の調査では,8時間労働が過半数以上です。なぜ勤務時間の短縮をされるのでしょう,なぜ15分間の短縮をされるのでしょう,お答えください。  中国新聞の報道では,この時間短縮は,3%程度の労働単価の引き上げと報じています。つまり15分の時短は形を変えた給与アップです。15分という短い時間なので見落としがちですが,1時間だったらどうでしょう。8時間労働を7時間労働に短縮して給与は据え置きで試算したらすぐわかることです。  人事委員会の報告では,勤務時間の見直しをするのであれば,行政コストの増加を招かないように公務の一層の効率化を図るよう述べています。しかし,給与を据え置くことは,そのまま行政コストの増です。報告どおり行政コストの増を招かないような具体的な方法についてお答えください。給与カットなど考えておられるのかお答えください。  15分の時間短縮は広島市全体では1日3,000時間,375人分の労働力です。だれかがどこかで375人分の仕事をしなければなりません。人をふやさないのであれば,普通なら時間外労働時間がふえると思います。市職員の子育て支援においては,時間外労働時間の短縮が目標となっています。今後,時間外労働時間はふえていくのでしょうか,時間外手当の総額は抑えられていくのでしょうか,お答えください。  繰り返しますが,世の中は派遣切りなどの人員整理,賃金カット,残業ゼロ,新卒者の内定取り消しなど雇用に対する厳しさ,失業者の増加は大変なものです。さらなる不況,大きな税収減を招きます。あの黒字のトヨタでさえボーナスカットを行っています。今,職員の勤務時間を短くすることに賛成する市民がいるでしょうか。  一つ提案があります。与党では,ふるさと雇用再生特別交付金を検討しているようですが,広島市においても15分,3%の賃金カットを行い,その分を375人失業対策として雇用を一時的にふやしてはどうでしょうか。ドイツやオランダで実施された,いわゆるワークシェアリングです。税金,医療保険などを負担していただく納税者数を維持する方法です。職を失った納税者の方々だけではなく,多くの市民に喜ばれると思います。  以上で質疑を終わります。(拍手) ○佐々木壽吉 副議長     企画総務局長。 ◎南部盛一 企画総務局長   御質問のありました事項に順次お答えをいたします。  まず,勤務時間の短縮の理由についてでございます。  職員の勤務時間については,本年の本市人事委員会の職員の給与等に関する報告及び勧告において,国,他都市等の勤務時間の見直し動向や市内民間事業所の所定労働時間の状況を考慮して,見直しを行うことが適当であるとされました。これを踏まえ,1,国において本年の人事院勧告どおり,来年4月1日から勤務時間の短縮が実施されることになったこと。2,本市を除く政令指定都市16市のうち,10市が既に勤務時間の短縮を実施しており,残りの6市も実施の方向で検討していること。3,市内民間事業所の所定労働時間が本市職員の勤務時間より短いことから,職員の勤務時間を改定することが適当であると判断をいたしました。  次に,1日15分の短縮についてでございます。  本年の国の人事院勧告において,民間企業における所定労働時間は,労働時間を管理する観点から,ある程度区切りのよい時間を単位として15分刻みの時間で設定しているところが多いため,1日15分短縮することが適当であるとされました。  また,政令指定都市のうち,既に勤務時間の短縮を実施している市のすべてが1日15分短縮しています。本市においてもこうした点を踏まえて,1日15分短縮することが適当であると判断いたしました。これにより,1日の勤務時間は現在の8時間から7時間45分となりますが,具体的には,現在45分となっている昼の休憩時間を1時間とすることを基本に考えています。  次に,行政コスト増にならないようにということでございますが,勤務時間の短縮に当たっては,行政コストの増加を招かないよう,公務能率の一層の向上を図るとともに,行政サービスを維持することが基本であると考えています。そのため,管理・監督者はもとより,職員一人一人が仕事の進め方を点検し,業務の効率化により公務能率の向上に一層努めるとともに,昼休憩時の窓口当番の時間やローテーションの見直しなどにより,これまでの行政サービスを維持する必要があります。この趣旨を職員への通知や服務監理委員会等を通じまして徹底してまいります。  次に,給与を減額すべきではないかということでございますが,職員の給与水準については,本市人事委員会において,勤務時間の長短にかかわらず市内民間事業所における給与の月額を調査し,公民比較を行った上で勧告しており,この勧告を受けて本市において給与水準を決定しています。  一方,職員の勤務時間については,本年の本市人事委員会の報告で,市内民間事業所の所定労働時間が本市職員の勤務時間より短くなっているとの調査結果に基づき,見直しを行うことが適当であるとされたことを踏まえて,勤務時間を短縮することが適当であると判断したものです。このように,給与と勤務時間とは別々に公民の均衡を図っていることから,勤務時間を短縮したからといって給与水準の引き下げにはつながらないというように考えています。  最後に,時間外勤務についてです。  勤務時間の短縮に当たっては,先ほど申し上げたとおり,公務能率を一層向上させることにより,短縮後の勤務時間の中で,これまでと同じように業務を処理することが基本であると考えており,勤務時間を短縮しても時間外勤務の増加にならないよう努めてまいります。  時間外勤務の削減については,広島市職員子育て支援プランにおいて,削減目標として平成15年度,2003年度の勤務時間の実績に対して,平成21年度,2009年度までに10%削減することを掲げています。目標を達成するよう努力を続けてまいります。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 副議長     13番。 ◆13番(桑田恭子議員) 何か非常に教科書どおりの御答弁という感じなんですけれども,時間外をどうして短縮するのかと聞いたのはですね,どうして民間を上回るようなそういったことをされるのかという意味で聞いたんです。民間の調査は39時間6分ですよね。人事委員会は給与の勧告は行いましたけれども,時間を15分短いというふうにしなさいと勧告をしてるわけではないですよね,報告にとどめています。国が勧告にしたのはちょっと異例なところはありますけれども,広島市の実態は1週間39時間6分が民間です。だったら民間が,これからやろうとする38時間45分より短いというならわかりますよ。皆さんの勤務時間を短くしましょうというのはわかるんだけれども,そうではない,まだ39時間がちゃんと確保されてますよね,民間の方は。それも過半数がやっぱり8時間労働をきちんとされているんですよね。そういう中でどうしてこういうことをされるのかということなんです。民間を上回るようなことをどうして今されるのかということですので,それをもう一度お答えください。  それから,行政コストを招かないようにということを人事委員会の方は言ってますけれども,今回の答弁の中で,業務の効率化が,ああこれで進むんだなという具体的な内容は全くないんですよね。業務の効率化というのは,毎年,毎年今までもやってこられています。給与を据え置いて労働時間を短くするっていうことは,時間単価は上がりますよね。もちろん時間外の時間単価も上がるんです。勤務時間を短縮して時間外勤務の増加にならないように努めていきますというふうに,精神論のようなことをおっしゃるんですけれども,それで現行と条例改正をした後で同じように時間外を比べたら時間単価が上がるので,そちらも試算されてこられましたけど,約2%がふえてくるということになりますよね,同じ時間外をした場合ですよ。それだけでもうコスト増ということになります。休息時間が廃止をされたときでも,時間外労働時間はふえたんですよね。今回は勤務時間が15分短くなるんです。それがそのまま時間外へはね返ったとしますと,それはやはり時間外がふえてくるということになります。今までも時間外が減ってきてるんならいいですよ,努力をしてきて。時間外はずっとふえてきてるんです,毎年毎年,平成15年から。大体,全会計で53億ぐらい時間外が払われていますよね。  今回の答弁の中で,時間外が減っていくという要素はまるでないんですよね,具体的なことをお伺いしましたけど。時短がコスト増になっていうことは先ほども申しましたけども,毎日3,000時間がふえてくるんです,1万2000人いますからね,広島市は。月にしたら6万時間,年間にしたら72万時間,全部が時間外がふえたとしたら大体20億ぐらいふえるということになります。時短がコスト増ということはそういうことだと思うんです,私は。時間外が減るという要素が全くないと思うんですが,その辺について,もう一度お答えください。 ○佐々木壽吉 副議長     企画総務局長。 ◎南部盛一 企画総務局長   なぜ1日15分の短縮をしたのかということでございますけれども,人事委員会の報告では,市内民間事業所の状況は,1日7時間47分ということになっておるわけでございますけれども,先ほども申しましたように,労働時間を管理する観点からですね,ある程度区切りのよい時間を単位として,しかも民間の方で大体15分刻みの時間で設定しているところが多いということで,これは時間を管理する観点からも,やっぱりその区切りのいい1日15分短縮するのがいいだろうというのは,これは人事院の方のそういう勧告でありまして,そういったことを踏まえまして,他の政令市でもそういう取り扱いであります。  市役所のすぐお隣の県庁の方もですね,現在5時30分まで勤務しておりますけれども,県庁の方は15分勤務時間を短縮して5時15分までにすると,市役所と全く一緒のようになるわけでございますけれども,昼も1時間の休憩になるということで,そういうことから15分で設定をするということでございます。  それから,行政コストをふやさないように,それを来さないようにという取り組みでございますけれども,当然この勤務時間を短縮しても,先ほど言いましたように,行政コストはふやさない,それから行政サービスも低下させないというのを基本にして取り組んでまいります。具体的にどうやるかということだと思いますけれども,職員が,今度勤務時間が短くなるわけですから,短くなっても,短くなった勤務時間内の中で全力で仕事をやるという気持ちを持って今以上に頑張るというのが大切でございますし,それから勤務時間の短縮を機に,改めて職員一人一人が一日の仕事,それから1週間の仕事,1カ月の仕事の段取りと言いますか,そういうものをきちっと見直して,それで要するにむだ,むらのない仕事をやっていくと。それから,市役所の場合,協議とか会議とかが非常に多いわけでございますけれども,その目的を外さないようにして,または会議の資料なんかも事前配付を徹底しましてですね,その会議とか協議時間を短縮をするとか,それから管理・監督者についても,それはいろんな事務事業を進める上での意思決定を迅速にやるとか,それから資料の作成部数を極力抑えていくとか,そういったように各職場職場でいろんな創意工夫の仕方があると思います。そういった創意工夫をして業務の効率化に努めまして,勤務時間の短縮がその時間外勤務の増加にできるだけつながらないように,取り組んでいきたいということでございます。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 副議長     13番。 ◆13番(桑田恭子議員) 決意表明を聞いているんじゃないんです。それは今までもやってきてることです。やってこなければいけなかったことです,それは。民間が7時間45分を大きく下回った段階でこの議案を出されるんだったらいいと思います。民間は,ずっと一般質問でもあるように,非常に厳しい状況なんですよ,今は。そういうタイミングのときにこれを出されるのは非常によくないと思います。広島市の市民がですよ,この議案を聞いたときに,ああ広島市の職員さんは8時間働いて長いから15分短くした方がいいよねって思う方がいらっしゃいますかね。非常によく民間のコスト意識っておっしゃるけども,民間のコスト意識なんか何も感じられないですよ。すごく世間と別世界の議論をしているような感じがします。市民がそういうふうに納得されるかどうかお答えいただいて質疑を終わります。 ○佐々木壽吉 副議長     企画総務局長。簡単明瞭にお願いします。 ◎南部盛一 企画総務局長   地方公務員の給与とか勤務時間等でございますけれども,これは地方公務員法の第24条に根本基準が定めてありまして,職員の勤務時間その他の職員の給与以外の勤務条件を定めるに当たっては,国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならないというように規定されておりまして,先ほども申し上げましたように,本市人事委員会の報告を踏まえまして,国とか他都市の状況を考慮して勤務時間の短縮は実施することが適当であるというように判断したものでございまして,市民の御理解をいただけるようにですね,事務の効率化,あるいは市民サービスの向上に,鋭意取り組んでまいりたいというように考えております。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 副議長     以上で,質疑を終結いたします。  ただいま上程中の諸議案は,お手元に配付してあります議案付託表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 ───────────────────────────────────────              休  会  に  つ  い  て ─────────────────────────────────────── ○佐々木壽吉 副議長     この際,休会についてお諮りいたします。  明日から14日まで,常任委員会審査のため,休会にいたしたいと思いますが,これに御異議ございませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○佐々木壽吉 副議長     異議なしと認め,さよう決定いたしました。 ───────────────────────────────────────              次 会 の 開 議 通 知 ─────────────────────────────────────── ○佐々木壽吉 副議長     この際,御通知申し上げます。  15日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              散   会   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○佐々木壽吉 副議長    本日は,これをもって散会いたします。  御苦労さんでした。                午後2時54分散会 ─────────────────────────────────────── △(参照1)  各常任委員会議案付託表 ┌───────────────────────────────────────┐ │          審     査     日     程          │ ├────────────┬────────┬────────┬────────┤ │          場所│ 第     1 │ 第     3 │ 全     員 │ │ 月 日        │        │        │        │ │ (曜日)   時間   │ 委 員 会 室 │ 委 員 会 室 │ 協 議 会 室 │ ├──────┬─────┼────────┼────────┼────────┤ │12月11日(木)│午前10時│ 文     教 │ 厚     生 │ 建     設 │ ├──────┼─────┼────────┼────────┼────────┤ │12月12日(金)│午前10時│ 消     防 │ 経 済 環 境 │ 総     務 │ │      │     │ 上 下 水 道 │        │        │ └──────┴─────┴────────┴────────┴────────┘              平成20年第5回              広島市議会定例会                   総 務 委 員 会
     1 第107号議案 平成20年度広島市一般会計補正予算(第3号)中     第1条第1項     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳入全部      歳出中         ┌─────────────┬─────────────┐         │      款      │      項      │         ├─────────────┼─────────────┤         │  1  議  会  費  │             │         ├─────────────┼─────────────┤         │  2  総  務  費  │             │         └─────────────┴─────────────┘     第3条 第3表 地方債補正全部  2 第109号議案 広島市区の設置等に関する条例及び広島市水道事業の設置等に関する条例の一部改正について  3 第110号議案 職員の勤務時間,休暇等に関する条例の一部改正について  4 第111号議案 一般職の職員の給与に関する条例等の一部改正について  5 第112号議案 広島市市税条例の一部改正について  6 第121号議案 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定めることについて  7 第122号議案 町の区域の変更等について  8 第123号議案 字の区域の変更について  9 第124号議案 新たに生じた土地の確認及び町の区域の設定について  10 第126号議案 当せん金付証票の発売金額について                消 防 上 下 水 道 委 員 会  1 第107号議案 平成20年度広島市一般会計補正予算(第3号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中         ┌─────────────┬─────────────┐         │      款      │      項      │         ├─────────────┼─────────────┤         │  8  消  防  費  │             │         └─────────────┴─────────────┘  2 第118号議案 広島市下水道条例の一部改正について                   文 教 委 員 会  1 第107号議案 平成20年度広島市一般会計補正予算(第3号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中         ┌─────────────┬─────────────┐         │      款      │      項      │         ├─────────────┼─────────────┤         │  9  教  育  費  │             │         └─────────────┴─────────────┘     第2条 第2表 債務負担行為補正のうち      追加中         ┌──────────────────────────┐         │       事           項       │         ├──────────────────────────┤         │市立大学法人化準備                 │         └──────────────────────────┘                 経 済 環 境 委 員 会  1 第107号議案 平成20年度広島市一般会計補正予算(第3号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中         ┌─────────────┬─────────────┐         │      款      │      項      │         ├─────────────┼─────────────┤         │  4  衛  生  費  │ 3  環  境  費  │         ├─────────────┼─────────────┤         │  5  農林水産業費   │             │         ├─────────────┼─────────────┤         │  6  商  工  費  │             │         └─────────────┴─────────────┘  2 第114号議案 広島市中央卸売市場業務条例の一部改正について  3 第130号議案 契約の締結について(玖谷埋立地拡張工事)                   厚 生 委 員 会  1 第107号議案 平成20年度広島市一般会計補正予算(第3号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中         ┌─────────────┬─────────────┐         │      款      │      項      │         ├─────────────┼─────────────┤         │  3  民  生  費  │             │         ├─────────────┼─────────────┤         │  4  衛  生  費  │1  保健衛生費     │         │             ├─────────────┤         │             │2  原爆被害対策費   │         └─────────────┴─────────────┘     第2条 第2表 債務負担行為補正のうち      追加中         ┌──────────────────────────┐         │       事           項       │
            ├──────────────────────────┤         │広島市湯来福祉会館管理               │         └──────────────────────────┘  2 第115号議案 広島市保育園条例の一部改正について  3 第116号議案 広島市国民健康保険条例の一部改正について  4 第125号議案 訴えの提起について  5 第127号議案 公の施設の指定管理者の指定について                   建 設 委 員 会  1 第107号議案 平成20年度広島市一般会計補正予算(第3号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中         ┌─────────────┬─────────────┐         │      款      │      項      │         ├─────────────┼─────────────┤         │  7  土  木  費  │             │         └─────────────┴─────────────┘  2 第108号議案 平成20年度広島市新球場整備特別会計補正予算(第2号)  3 第113号議案 広島市湯来交流体験センター条例の制定について  4 第117号議案 広島市自転車等駐車場条例の一部改正について  5 第119号議案 広島圏都市計画(広島平和記念都市建設計画)地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について  6 第120号議案 広島市西蟹屋プロムナード条例の制定について  7 第128号議案 市道の路線の廃止について  8 第129号議案 市道の路線の認定について  9 第131号議案 契約の締結について(霞南住宅(仮称)新築工事) △(参照2)  平成20年12月10日 議 員 各 位                             広島市議会議長                              藤 田 博 之              請願・陳情の受理について(報告)  下記のとおり請願・陳情を受理し,請願は関係常任委員会に付託したので報告します。                      記  請願 ┌────┬───────────────┬────┬────┬──────┐ │ 受 理 │   件       名   │受  理│付  託│ 付託委員会 │ │ 番 号 │               │年 月 日│年 月 日│      │ ├────┼───────────────┼────┼────┼──────┤ │ 22 │丹那ハイツにおける納骨堂を備え│20.12. 3│20.12. 3│ 厚   生 │ │    │た寺建設の不許可を求めることに│    │    │      │ │    │ついて            │    │    │      │ └────┴───────────────┴────┴────┴──────┘  陳情 ┌────┬───────────────────────────┬────┐ │ 受 理 │         件        名        │受  理│ │ 番 号 │                           │年 月 日│ ├────┼───────────────────────────┼────┤ │ 51 │安心して子どもを産み育てられるような広島市の保育行政の│20.12. 3│ │    │充実を求めることについて               │    │ ├────┼───────────────────────────┼────┤ │ 52 │東照宮唐門及び翼廊保存修理工事について        │20.12. 4│ └────┴───────────────────────────┴────┘ ───────────────────────────────────────   議 長   藤  田  博  之   副議長   佐 々 木  壽  吉   署名者   米  津  欣  子   署名者   増  井  克  志...